デカい「ハコ」なのになぜ「ミニバン」と呼ぶ? 全長5m級トヨタ「アルファード」も「ミニ」と言われる事情とは
日本市場では定番のボディタイプとなっている「ミニバン」。しかしそのボディサイズはとてもミニとは呼べないものです。なぜミニバンと呼ばれるのでしょうか。
「ミニバン」っていうけど、全然「ミニ」じゃない!?
広い室内に加え大人数乗車が可能なミニバンは、日本でも人気の高いカテゴリーのひとつですが、どのモデルも決して「ミニ」とはいえません。
にもかかわらず、なぜ「ミニバン」という名称が定着しているのでしょうか。
現在、国内のミニバン市場ではコンパクトサイズのトヨタ「シエンタ」、ホンダ「フリード」、ミドルサイズのトヨタ「ノア/ヴォクシー」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」、ラージサイズのトヨタ「アルファード」、日産「エルグランド」などが存在します。
一般的にミニバンとしての定義は、スクエアボディに3列シートを備えた多人数乗車と多積載を兼ね備えたモデルです。
実際には3列目シートを活かして大人数で乗車をすることが可能なうえ、2列目シートを後ろにスライドさせればファーストクラスのような広い空間が実現。逆に2列目&3列目をアレンジすることで商用車なみの積載能力を発揮します。
そのため、ミニバンはファミリーのみならず、ビジネスシーンやアウトドアでも活躍する万能なモデルです。
しかし、よくよく考えてみると、ミニバンは決して「ミニ」ではありません。
ミニバン市場をけん引するアルファードのボディサイズは、全長4935mm-4950mm×全幅1850mm×全高1935mm-195-mmと乗用車のなかではかなり大柄です。
ミドルサイズミニバンのステップワゴンはフルモデルチェンジにより、全長4800mm-4830mm×全幅1750mm×全高1840mm-1855mmと拡大しています。
そして、コンパクトミニバンのシエンタでは、全長4260mm×全幅1695mm×全高1675mm-1695mmと、ミニバンのなかでは小さいですが、それでも「ミニ」と呼べるほどではありません。
実際に「ミニ」という言葉がそのままブランド名となった英国の「ミニ(ローバー・ミニ)」は、全長3075mm×全幅1440mm×全高1330mm程度であり、当時のクルマのなかでも「ミニ」であったことから、まさに名は体を表しているといえます。
しかし日本の「ミニバン」は大柄なボディであるにもかかわらず「ミニ」という言葉が用いられているのです。
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