「ぶつけない?」なぜ激狭「道路」存在? 擦る人続出でも車幅ギリギリにポール設置する理由とは
「視界が広いから安全!」は間違い? 田んぼ道で起こりやすい錯覚とは
視界の開けた農道や田んぼ道に、なぜそうした事故防止対策が必要なのか不思議に感じる人も多いかもしれません。
都心の道路に比べると交通量も少なく見通しも良いはずですが、なぜゲートを設置する必要があるのでしょうか。
その理由のひとつには、前出の警察担当者が話すように「利用するユーザーの年齢層の高さ」が挙げられます。
また、交通量も少ないうえに見通しも良く、その道の運転に慣れている近隣住民が多いことから、おのずとスピードが出しやすい環境となっている可能性も考えられます。
普段から走行に慣れている道では、初めて通る道よりもスピードを出してしまうという人も多いでしょう。
さらに、大きな理由のひとつとして挙げられるのが「コリジョンコース現象」です。
コリジョンコース現象は、別名「田園型交通事故」や「十勝型交通事故」などと呼ばれることもあり、主に農道や田んぼ道など、見通しの良い道路で発生が見られます。
JAFは、公式ホームページにて、コリジョンコース現象について以下のように説明しています。
「人間の視野には、物の色や形をはっきり認識できる『中心視野』と、色や形の違いや動かないものは認識しづらい『周辺視野』があります。
ドライバーは横から近づくクルマを周辺視野でとらえやすいため、交差車両が同じ速度・同じ角度で近づいてくると、クルマが動いていないように見えて、直前まで危険を認識できず衝突してしまうことがあります」
農道や田んぼ道は、見晴らしが良く、比較的周囲の危険を目視しやすいように感じる人も多いかもしれませんが、このような人間の目の錯覚によって、むしろ事故の危険性が高い道路でもあるといえます。
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コリジョンコース現象による事故を回避するためには、視点を変えてみるのが効果的とされています。
まっすぐに前だけを見つめるのではなく、横から接近してくるクルマに目線を移したり、交差する道路の状態をしっかりと確認したりして、中心視野と周辺視野をどちらも活用することが有効的です。
また、交差する道路にクルマがいることがわかっている場合には、どちらが優先かに関わらず、交差点の手前でゆるやかに減速し、すぐに止まれるように注意して走行すると良いでしょう。