「違法駐車みんな見てますよ」 “ちょっとした工夫”で違法停車が最大9割減少! 認知バイアスを踏まえた思わぬ看板とは?
株式会社NTTデータ経営研究所は、京都府・四条通沿道のタクシーの駐停車マナー向上を目的として「ナッジ」を活用した実証実験を実施。どういった内容なのでしょうか。
最大9割減! 「ナッジ」を活用した実験とは
株式会社NTTデータ経営研究所は 公民連携・課題解決推進事業「KYOTO CITY OPEN LABO」において、京都府・四条通沿道のタクシーの駐停車マナー向上を目的として「ナッジ」を活用した実証実験を実施。
これにより、タクシーの違法停車時間が最大9割減少したことを2022年5月30日に明らかにしました。
京都府では、主要道路のひとつである四条通(しじょうとおり)で、一部タクシーによる交差点や横断歩道付近での客待ちや、四条通本線(駐停車禁止)上での客待ち停車などの道路交通法違反が多く発生。
これにより、近隣バス停におけるバス発着の妨害や渋滞を発生させるなどの要因となっていました。
こうした現状を踏まえ、今回の実験では行動科学の知見を活用して、人々のより良い行動を後押しする政策手法のひとつであるナッジを活用。
ナッジは、「nudge=肘でそっと押す」という原義の通り、選択肢の制限(禁止や罰金)をせずに、人間の意思決定特性(認知バイアスなど)を踏まえた「ちょっとした工夫」で、人々の行動に変化を起こす点に特徴があり、今では世界各国の行政機関で活用が進んでいます。
実験では、ナッジの知見を活用した看板を四条河原町交差点南東角に設置。
看板は歩道側と車道側でデザインが異なり、歩道側には停車しているクルマが見えるよう窓枠が設けられ、その横には「この窓から見えるタクシーは違法停車中です」との説明書きが記載されたデザインとなっています。
一方で車道側からは、窓枠の横に「ドライバーさん違法停車みんな見てますよ」という説明が書かれ、上には大きな目のイラストが描かれています。
この看板を設置したことで、設置前は違法停車時間の平均が約45分だったのに比べ、看板設置後は約5分と、約9割減少したことが明らかとなりました。
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また四条通沿道のタクシー乗り場での規定台数を超過した車両の削減を図るため、タクシー乗り場2箇所(西行、東行)に、先頭の場所から「1台目先頭」「2台目先頭」などと番号を記載した看板を設置。
看板設置後は、はみ出し停車台数が西行では約7割、東行では約3割ほど減少。
所管の警察署からも「苦情の頻度が設置前後で大幅に減少した」と報告があったことが分かっています。
今回の実験を受けて京都市は「引き続き、京都市タクシー駐停車マナー向上マネジメント会議を通じ、タクシー業界団体及び関係行政機関と連携したマナー啓発に努めてまいります」とコメントしています。
踏切や路面電車の電停にデカい一眼構えた撮り鉄がいると、みんな一旦停止を守るようになるみたいな奴ね。地元で国鉄時代の電車が退役間近だった時期にそういう場面を幾度となく見掛けたけど、結局そういう事よね。ちなみに撮り鉄の方は、テレビでやってたほどマナー悪い印象はなかったけど。