意外に分からない? 「キャンピングカーどこに駐めるべき?」 各所で問題視される「駐車トラブル」の実情とは

駐車トラブルの背景には「キャンピングカーの使い方」も影響している?

 しかしこうした駐車トラブルの背景には、実はユーザーのキャンピングカーの使い方にあることが分かってきました。日本RV協会事務局の弘中珠己氏は次のように話しています。

「私どもがユーザーさんにアンケートを採ったところでは、『キャンピングカーをどのように使うか?』 という質問に対して、“旅行の足”としてと答える人が圧倒の1位でした。

“キャンプ”と答える人が2位で多かったのですが、約半数という結果だったのです」。

 オートキャンプを楽しむのがキャンピングカーというイメージが一般的ですが、実はキャンピングカーが必ずしもキャンプで使いやすいとは限らないと弘中氏はいいます。

「キャンピングカーの横にサイトを広げられる、いわゆるオートキャンプサイトがあるキャンプ場はまだまだ多くありません。

 駐車場にキャンピングカーと駐めて、テントサイトでキャンプをするのがスタンダードなので、キャンプ場ではキャンピングカーの利便性を十分に発揮することができないこともあります」

 それよりも、行きたい観光地にキャンピングカーで出かけて、気軽に車中泊をするという使い方のほうがキャンピングカーの魅力が活かせるというのです。

 そこで生まれてくるのが、どこにキャンピングカーを駐車して車中泊するかという悩み。結果、前述のようなトラブルも出てくるというわけです。

SA・PAの駐車枠問題は年々改善されるものの、利用者のマナー改善も求められる
SA・PAの駐車枠問題は年々改善されるものの、利用者のマナー改善も求められる

 日本RV協会は、キャンピングカーを有料で駐車・車中泊ができる「RVパーク」を全国に展開しています。

 同施設の特徴は、地方のみならず都市部にもあること。都市部ほど、キャンピングカーを駐車できるインフラが少ないため、人気が高いといいます。

 RVパークは観光施設や道の駅などの他、ホテル、日帰り入浴施設の駐車場の一角や、おもしろいところでは飲食店の駐車場に設置されており、24時間利用可能なトイレがあること、15km圏内以内に入浴施設があること、100V電源の使用が可能なこと、ゴミ処理ができることなどの施設条件が定められています。

 駐車スペースで火を使った調理ができないことや、キャンプ道具を出せないことなどは公共施設の駐車場と同じですが、キャピングカーで快適に車中泊ができるさまざま配慮がなされているようです。

 現在、RVパークは全国に268か所(2022年5月19日時点)ありますが、日本RV協会は1000か所の設置を目指しています。

 最近は、各自治体のからの設置問い合わせも多く来ているということで、今後はさらに便利な場所にできる可能性が高いということです。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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