やはり転売車続々…1700万円のトヨタ新型「ランクル」 なぜ「転売禁止のお願い」は法律で規制出来ないのか
ランクルの「誓約書」の本当の目的とは?
一方で、トヨタの販売店が実際に誓約書の提出を求めているのは事実です。法的拘束力がないにもかかわらず、なぜ誓約書の提出を求めるのでしょうか。
あるトヨタ販売店関係者は次のように話します。
「この『誓約書』に、いわゆる『転売ヤー』による転売を防ぐ目的がないわけではありません。
しかし、あくまでも『お願い』であり法的拘束力はありません。もちろん、悪質な転売を容認しているわけではありませんが、法律上は規制できないのが現状です。
われわれが本当に懸念しているのは、国外への輸出で、より具体的にいえば、テロ組織などの手に車両が渡ってしまうことです。
ランドクルーザーの持つ高い性能は、残念ながらそうした反社会的な人々にとっても魅力的なものです。
ただ、当然のことながら、われわれはそうした人々がランドクルーザーを手に入れることを阻止しなければなりません。
国際テロリストであることを知りながら車両を販売すれば、外為法違反となる可能性もあります。
もちろん、人道上も大きな問題です。そのため、輸出の可能性に関してはかなり厳しくチェックをするようにしています」

誓約書の提出をお願いしている背景には、過酷な状況でも走破できる高い走行性能と信頼性を持つランドクルーザー特有の事情が大きく関わっているようです。
ただし、販売店が悪質な「転売ヤー」に頭を悩ませているのも事実です。そのため、商談中に違和感を覚えたり、複数台の購入を相談された場合には、とくに注意するようです。
その一方で、前述のようなやむを得ない事情であれば、誓約書の内容に反していてもとくにペナルティは課されないようです。
前出の販売店関係者は「売却を検討せざるを得ない場合は、販売店が買い取ることができる可能性もあるので、まずは相談してほしい」と話します。
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悪質な「転売ヤー」には企業もユーザーも頭を悩ませていますが、転売そのものを規制するのは難しいのが現状です。
とはいえ、社会的に悪影響が大きくなれば、なんらかの規制がおこなわれる可能性は否定できません。自由な経済活動を守るためにも、節度ある行動が求められます。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。















































