迫力がスゴい!? 自衛隊の「万能4WD車」 ベースは「ジープ」と「パジェロ」 どっち?
自衛隊車両として目にする機会がある「1/2tトラック」ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
よく見る自衛隊車両といえばジープぽい4WD車だけど、実際にはどんなクルマ?
街や高速道路を走っていると、時折出会う陸上自衛隊の車両。
OD色という独特のカラーリングのクルマは、兵器が搭載されていないものでも何ともいえぬ迫力があります。
陸上自衛隊の車両はさまざまなタイプのものがありますが、私たちが頻繁に目にするのが「1/2tトラック」です。
1/2tトラックは三菱が製造しており、実は2代目「パジェロ」のショートをベースに造られており、ボディサイズは全長4140mm×全幅1765mm×全高1970mmです。
パジェロとの違いはいろいろありますが、主な違いはラダーフレームの長さとリアサスペンションの形式。
まずパジェロのショートボディでは乗車定員や積載力に問題があるため、ラダーフレームが延長されています。
さらに、コイルリジッド式サスペンションだった後輪を、リーフスプリングに変更。
これにより、より大きな後輪荷重を許容することができます。
1/2tトラックの前身は、「73式小型トラック」と制式名が付けられた三菱「ジープ」でした。
J-24型をベースにした車両で1997年まで使用されていましたが、排出ガス規制や衝突安全性が前時代的なものであったことから、新・73式小型トラックにスイッチしました。
これが、1/2tトラックです。防衛庁(現防衛省)の調達上の便宜から、当初はそのまま73式小型トラックと呼ばれていましたが、民生用車両の部品を共用することから、2001年度から制式名ではない1/2tトラックに変更。ちなみに自衛隊員には、「パジェロ」の愛称で呼ばれています。
1/2tトラックは、それまでのジープに比べるとさまざまな点で革新的な装備がなされました。
まず隊員たちを喜ばせたのが、エアコンの標準化です。
当初、好事家の間では、BC兵器への対応のため(窓を閉めて走るから)ともいわれましたが、やはり快適性を考えた結果というのが真相のようです。
さらに、AM/FMラジオが装備されてことも話題を呼び、なぜ自衛隊車両に娯楽が必要なのかと批判されたこともありました。
しかし実際は、災害派遣時の情報収集のために付けられたようです。
さらに、2代目パジェロが採用していたパワートレイン「スーパーセレクト4WD」を積んでおり、パートタイム式4WDながらフルタイム4WDモードが搭載され、ミッションが4ATなのも現代的な部分です。
平時には一般道路を走ることがほとんどですが、自然災害時や有事には道を外れて走ることも想定されることから、こうしたパワートレインを採用することでより優れた悪路走破性や操縦安定性を確保しているのでしょう。
パワーユニットは、1996年から2003年までパジェロと同じ4M40型ディーゼルインタークーラーターボを搭載。
やはりパジェロ同様に、ボンネット上にインタークーラー用のエアスクープが設けられていました。
しかし、2004年から納入が始まった新型は、「アウトランダー(欧州仕様)」や「デリカD:5」に使われていた4N1型ディーゼルインタークーラーターボに変更。その結果、エアスクープは廃止されています。
1/2tトラックの主な用途は、偵察、連絡、駐屯地間の移動などですが、なかには分隊支援火器や重機関銃、対戦車兵器を積んだバージョンも存在します。
Jeepを日本で発売できるのは三菱だけって大昔に聞いた記憶が。当時、ジムニーに似た赤いオープンタイプの軽自動車があって、同僚が乗ってたような記憶あり。