これがVW初のスーパーカー! 20年前に数々の世界速度記録を樹立した「W12ナルド」とは?
2002年2月23日に7つの世界記録を樹立
2001年10月、W12コンセプトクーペは4402マイル(約7084km)の走行で平均時速183.5マイル(約295.31km/h)を記録、当時の世界記録を塗り替えました。
VWグループのW型エンジンの実走行による初のトライアルであることを考えると、これも驚異的な偉業でしたが、W12コンセプトクーペはさらに進化を続けます。
4か月後の2002年2月23日、「W12ナルド」がさらに24時間耐久のスピード記録にチャレンジ。結果、4809マイル(約7739km)の走行で平均時速200.6マイル(約322.83km/h)という記録を打ち立てました。これは当時の7つの世界記録と12の国際クラス記録を樹立したことになります。
W型エンジン搭載車はまだ市販化されておらず、その耐久性には当時、疑問を持たれていたようですが、このチャレンジにより高い耐久性が証明されました。
その後、1998年にVWグループになったばかりのハイブランド、ブガッティから2005年に「ヴェイロン」が登場、W16エンジンを搭載しました。その後W型エンジン(W12=W型12気筒)はVW「フェートン」や「トゥアレグ」、アウディ「A8」やベントレー「コンチネンタルGT」「コンチネンタル フライングスパー」などに搭載されています。
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このW型エンジンは、1993年から2002年までVWAGのCEOを務めたフェルディナント・ピエヒ博士の発想で開発されました。
当時のVW車に幅広く用いられ、そのコンパクトさから「ゴルフ」にも搭載されていたV型6気筒「VR6」エンジンをふたつ組み合わせ、「V+V=W」と名付けられたこの発想は、じつは1997年に東京から名古屋に走る新幹線の中で誕生したといいます。
当時VWのパワートレイン開発担当者だったカール・ハインツ・ノイマン氏と会話していたピエヒCEOは、封筒を手に取り、頭の中にあったW型エンジンのアイデアをスケッチしたそうです。
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