「運転免許」は運転スキルを保証するものでは無い? 「国家資格」でも他資格と異なる存在となる訳

運転を許可されていることと、上手に運転できることは違う

 ここまで述べたように、運転免許は各種の民間資格とは根本的に異なるものです。

 ただ、あまりにも保有者が多いものでもあるため、その意味合いを理解する人が少ないのも事実です。

 運転免許を持っていれば、公道でクルマを運転できることは事実です。

 しかし、それは「運転することが許されている」という意味であり、ほかの民間資格のように、一定以上の能力があることを示すものではありません。

 この点が、運転免許がいわゆる「資格(=能力を示すもの)」とは根本的に異なる部分です。

 つまり、運転免許を持っていることと、十分な運転スキルがあることはイコールではないということです。

 筆者(PeacockBlue K.K. 瓜生洋明)の話になりますが、筆者は国語の教育職員免許状、いわゆる教員免許を保有しています。

 さらにいえば、修士課程を修了しているため、より上級の国家資格である専修免許状を保有しています。

 しかし、筆者は実際に教員であったことは一度もありません。あくまでも、教員になるための必要要件を備えているというだけであり、実際に教員になるためには各自治体や学校法人の採用試験を受けるなどの過程を経なければなりません。

 そんな筆者を、優れた教員と評する人はまずいないでしょう。教員免許は保有していたとしても、教員としての実績がないのですから、それは当然です。

運転免許を取得したからといって過信は禁物!
運転免許を取得したからといって過信は禁物!

 一方、若い頃は「運転免許を持っている人=上手に運転する能力がある人」というイメージを持ってしまいがちです。

 けれども、20歳そこそこであれば、どんなに長くてもせいぜい2年程度の運転経験しかありません。

 高齢者による痛ましい交通事故の報道が多く見られる昨今ですが、統計上は10代および20代前半の交通事故件数のほうが多いのが実態です。

 これから運転免許を取得しようと考えている若い人、あるいは運転免許を取得したばかりの若い人には、運転免許とはあくまでも公道で運転する許可を得ているだけであり、上手に運転できることを示すものではないということを覚えておきましょう。

 もちろん、若い人に限らず、いま現在運転免許を保有し、公道でクルマを走らせている人にも、いま一度、「運転免許」の意味を考え直す機会になれば幸いです。

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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