究極のオフロードカーや本物の「ボンドカー」が売っていた!? すごく特殊な市販車3選

普段、私たちが運転するクルマは、だれでも買うことができる市販車です。そんな市販車のなかでも、ユニークなモデルも存在します。そこで、市販車ながらかなり特殊なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

超絶ユニーク! かなり特殊な市販車を振り返る

 普段、私たちが運転しているクルマは、年間に何千台、何万台と生産される市販車です。もちろん年間数十台しか販売されないような貴重で高額なクルマもありますが、大半はお金さえ出せば買えるクルマばかりです。

市販車として販売されたかなり特殊なクルマたち
市販車として販売されたかなり特殊なクルマたち

 パトカーのような一部の緊急車両を除けば、ほとんどのクルマは個人で買うことができ、とくに中古車市場ではかなり珍しいクルマもたくさんあります。

 中古車ではタクシーや路線バス、消防車なども売っており、実際にそうしたクルマを買って楽しんでいるマニアも多くいます。

 ひと口に市販車といっても多種多様で、なかにはユニークなモデルも存在。

 そこで、市販車ながらかなり特殊なクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「マツダ教習車」

単なる教習車というだけでなくベース車がユニークな「マツダ教習車」

 自動車教習所で運転するクルマといえば教習車で、一般的にはセダンを改造して教習車に仕立てられていますが、市販車として販売されており、ちゃんとメーカー希望小売価格も設定されています。

 前述にあるとおり中古車ならば結構な台数の教習車が販売されており、助手席のブレーキを取り外すなどすれば、ナンバーを取得して普段使いすることも可能です。

 この教習車は複数の自動車メーカーから販売されており、ほかにも特装車メーカーからも販売されていますが、とくにユニークなのがマツダ「マツダ教習車」です。

 かつては「アクセラ」をベースにした教習車でしたが、2019年4月に新たなマツダ教習車が登場しました。

 一見すると変わったところが無い普通の教習車ですが、ユニークなのはベース車で、日本では販売されていなかった「マツダ2セダン(デミオセダン)」が用いられています。

 マツダ2セダンは文字どおりマツダ2のリアに独立したトランクがある4ドアセダンで、海外専用車として現在もアジア圏を中心に展開しています。

 なお、マツダ教習車は4代目デミオと同じフロントフェイスですが、最新のマツダ2セダンは現行のマツダ2ハッチバックと同一です。

 搭載されるエンジンは1.5リッター直列4気筒ガソリンのみで、トランスミッションは6速MTと6速ATが設定されています。

 また、教習車専用装備として、一般的なミラーや指導員用サブブレーキなどの追加以外にも、指導員席のシートリフター、表示、操作を集中レイアウトした指導員用モニター、振動吸収ウレタンを採用したシートなどを追加し、指導員の疲労軽減に配慮した装備が盛り込まれています。

 マツダ教習車に海外専用のマツダ2セダンが採用された背景には、5ナンバーサイズのセダンということがあり、現状の国内ラインナップではベース車が少なくなってしまったからです。

●三菱「ミニキャブトラック 4クローラー」

まさに究極のオフローダーともいうべき三菱「ミニキャブトラック 4クローラー」

 三菱の軽商用車「ミニキャブ」は1966年に誕生した軽トラック/バンです。

 現行モデルはスズキ「キャリイ」がOEM供給されていますが、EVワンボックスバンの「ミニキャブMiEV」のみ三菱が自社生産しており、近年では日本郵便が郵便物の集配用に採用しているので、街なかで見かける機会も多いのではないでしょうか。

 かつてミニキャブシリーズには、トラックをベースにした究極のオフロードカー「ミニキャブトラック 4クローラー」がラインナップされていました。

 1997年に発売されたミニキャブトラック 4クローラーは4WDのミニキャブトラックをベースにした特装車のひとつで、4輪のタイヤをクローラーに付け替えられ、泥ねい地や砂地、深雪地帯など、過酷な路面状況での荷物の運搬に特化したクルマとして開発されました。

 車検証にはタイヤ装着時とクローラー装着時の2種類の諸元が記載されているため、特殊車両ではなく一般的な軽トラックとして登録できるのが特徴で、普通免許で運転できました。

 また、法的にタイヤとクローラーどちらでも公道走行が可能となっており、この利便性の高さもアピールポイントでした。

 グレードは2タイプあり、標準の荷台とダンプが選べ、パワートレインは660cc直列3気筒自然吸気エンジン+5速MTのみです。

 当時の新車価格(消費税含まず)はベースの82万6000円に対し182万6000円と100万円高でしたが、特装車の割には比較的安価に設定されていたといえます。

 かつてはダイハツやホンダも同様のクローラー装着車を販売しており、三菱2代目「パジェロ」にも設定されていました。

 今でも社外品でクローラーだけ販売されているので、スキー場などで4WD車にクローラーを取り付けた車両を見ることができます。

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●アストンマーティン「DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」

復刻して新車として販売されたボンドカーの「DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」

 映画「007」シリーズは世界的に人気があるアクション映画ですが、2021年10月にはシリーズの最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が日本で公開され話題となりました。

 この007シリーズには主人公のジェームズ・ボンドが乗るクルマ、通称「ボンドカー」も名脇役として注目され、数多くの秘密兵器を搭載。

 有名なボンドカーとしてトヨタ「2000GT」(ジェームズ・ボンドは運転していない)や、潜水艇にもなるロータス「エスプリ」などがありますが、シリーズを通じてたびたび登場するのが2ドアクーペの名車、アストンマーティン「DB5」です。

 DB5は1964年に公開された「007ゴールドフィンガー」のボンドカーとして日本でも広く知られ、現在もクラシックスポーツカーとして世界中のコレクターから高い人気を誇っています。

 このDB5ですが、2020年に「DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」の名で、アストンマーティンから25台限定の復刻モデルとして販売されました。

 DB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーションは単にDB5を復刻しただけでなく、劇中のボンドカーと同じ装備を搭載しており、フロントのマシンガン(実弾を発射しないダミー)や、回転して切り替わるナンバープレート、トランク部分からポップアップする防弾パネル、シート射出用のスイッチなど、当時のボンドカーの装備を忠実に再現した、マニア垂涎のリアル・ボンドカーとなっていました。

 当時の価格は275万ポンド(邦貨換算で約3億8000万円)と非常に高額なクルマでしたが、登録して公道走行することは許されず、あくまでもコレクターが私有地で楽しむか、展示用として販売されました。

※ ※ ※

 世の中にはお金があったとしても買えない市販車が存在します。そのひとつの例がフェラーリの「スペチアーレ」と呼ばれるモデルです。

 バブル期に販売された「F40」や、後継の「F50」「エンツォ・フェラーリ」「ラ・フェラーリ」がスペチアーレの代表的なモデルですが、これらは「特別なお客様」にしか販売されませんでした。

 つまりフェラーリが認めた顧客のみに販売され、その判断基準も明らかになっていませんが、多くは著名なコレクターや、親子にわたって常にフェラーリの新型車を買うような優良な顧客といわれています。

 ちなみに、フェラーリ側からの「スペチアーレを買いませんか」というオファーを断ると、その後、二度とスペチアーレを買うことができないという噂もあるなどすごい世界ですが、そうしてブランドイメージを守ってきたということでしょう。

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