霊柩車も「アルファード」が選ばれやすい!? 金ピカな「宮型霊柩車」はなぜ減少したのか 国産車が人気傾向に
霊柩車にはさまざまな種類がありますが、なかでも特徴的な宮型霊柩車は近年減少傾向にあります。これにはどういった理由があるのでしょうか。
金ピカな霊柩車「宮型霊柩車」はなぜ減っている?
遺体を火葬場まで運ぶ際に用いられる霊柩車というと、クルマの上部に豪華な金色の装飾が施されたクルマを想像する人もいるでしょう。
最近では、こうした豪華な装飾が施された霊柩車を見かけることが少なくなりました。これにはどういった理由があるのでしょうか。
霊柩車には、シンプルな寝台車型の「洋型霊柩車」と呼ばれるものやバス型霊柩車、ミニバンが用いられたバン型霊柩車などさまざまな種類があります。
なかでも霊柩車と聞くと思い浮かぶ人が多いとされるのが、クルマの上部に豪華な装飾を施した「宮型霊柩車」です。
その多くは日本固有の宗教である神道などの建築を用いた形状が多く、金箔押しであしらわれた豪華なデザインや、鳳凰や龍の彫刻が取り付けられたものなどもあります。
しかし最近では、こうした宮型霊柩車を街中で見かけることが少なくなりました。
実際に霊柩車の製造・販売をおこなう株式会社ニットクの代表である青山氏は、「宮型霊柩車はたしかにここ数年はほとんど製造していません。修理や中古車がたまにあるほどです」と話しており、やはり宮型霊柩車は年々減少傾向にあるようです。
ではこれにはどういった理由があるのでしょうか。前出の青山氏は以下のように説明します。
「地方などでも理由や解釈などは異なりますが、要因のひとつには火葬場の新設や移転などにともない、近隣住民の反対や建設の条件などで乗り入れ禁止になるケースが全国に増え、火葬場の乗り入れ禁止となったことが挙げられます。
また家族葬などの葬儀簡素化によって派手なクルマが選ばれないケースが増加し、これによりコストの高い高級車を扱う葬儀社が減ってきていることも要因のひとつといえます」
地域によっては宮型霊柩車の火葬場の乗り入れが条例で禁止されており、例えば栃木県宇都宮市の斎場に関する条例では、行為の禁止項目に「斎場の敷地内に宮型霊柩車を乗り入れること」と記載されています。
また、宮型霊柩車は豪華な装飾を施す分コストがかかることから、葬儀簡素化にともない選ぶ人が少なくなったといえるでしょう。
このほか要因には、亡くなられた人を運ぶイメージが強い、縁起が悪いなど、死を連想させるイメージが強いといったことも影響があるようです。
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宮型のタイプが減少した分、最近では洋型霊柩車を選ばれることが増えたといいますが、選ばれやすい車種などはあるのでしょうか。これについて、青山氏は以下のように話します。
「数年前までは、宮型霊柩車の代わりに、高級洋型車やリムジン(5人乗洋型霊柩車)、アメ車などが好まれる傾向にありましたが、最近は国産車のほうが人気となっています。
車種は一般の人気車に近くなっており、特に最近ではトヨタ『クラウン』や『アルファード』に集中しています」
一般車の場合、最近ではアルファードに人気が集中しているようですが、霊柩車にもこうした一般車の人気が影響してきているようです。
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