SNSで話題! なぜ「ホイール付神輿」誕生? とてもスポーティな斬新「山車」とはどんなもの?
2022年の年明け頃に、カッコいいホイールを履いた神輿がいるとSNSで大きな話題になりました。製作者はどのような理由から、このような神輿を作ったのでしょうか。
そもそもハヤシホイールではない?タイヤの付いた神輿はなぜ作られたのか?
「1年の計は元旦にあり」という言葉があるように、2022年の幸福を祈るため元旦に初詣へ出向いたという人は、少なくないかもしれません。
初詣とは、年があけてから、初めて神社や寺院などに参拝する行事を指し、一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願したりします。
そんななか、2022年の元旦の初詣では、とある神輿が目撃されSNSで大きな話題となりました。
SNSの投稿には、神輿の写真とともに「ハヤシホイール履いた神輿ゲキ渋だろ」との投稿文が添えられています。
写真には、デザインが特徴的なかっこいいホイールを車輪に装着した、迫力のある神輿が写されています。
SNS上では、「早そうな神輿!」「かっこよすぎる!」という声が見られ、2022年1月18日現在でおよそ1000件のリツイートに、4000件近くの「いいね」が寄せられています。
ハヤシホイールとは、1970年代後半から1980年代にかけて、アルミホイールが第一次ブームを迎えた時期に登場したストリートホイールのことで、アルミホイールの人気ブランドとされる老舗メーカーのハヤシレーシングから販売されました。
しかし、その一方でコメント欄には「よく見たらハヤシホイールではないのでは…」「ダンロップじゃない?」といったホイールに対する疑問の声も見られます。
実際に、香川県高松市在住の神輿製作者の男性A氏は「取り付けているのは、ハヤシホイールではなくダンロップのホイールです」と話します。
使用しているホイールは、製作者自身が30年前に乗っていたクルマのホイールを磨いて塗装した思い入れのあるもの。
タイヤは、大きめのホイールに合わせたトラック用タイヤを使用しているそうです。
この「かっこいいホイールを履いた神輿」は、元旦に香川県高松市にある「三宮神社」へ奉納されました。
一般的な神輿とは、担ぎ棒を肩に乗せて担ぐものであり、車輪を装備して転がすタイプを見たことがある人は多くはないかもしれません。
では、どのような経緯で神輿に車輪およびホイールを取り付けたのでしょうか。
A氏は「神輿自体は知り合いから譲り受けたものであり、運ぶのには重すぎるので台車をつけました」と話します。
モチーフにしたのは、愛媛県新居浜市の「新居浜太鼓祭り」で使われる、金糸銀糸に彩られた豪華絢爛な「太鼓台(たいこだい)」と呼ばれる山車。
山車とは「山岳や山頂の木や岩を依り代として天から降臨する」という考えに基づいて作られた台車です。
肩に担いで運ぶ神輿とは異なり、山車は車輪があるため引き綱を引くことによって進みます。
A氏は、「徳島の阿波おどり」・「高知のよさこい祭り」と並ぶ四国三大祭りとして知られるお祭りとして有名な新居浜太鼓祭りに毎年参加しているといいます。
そのため、近くで太鼓台をよく見ていたことから「自身で所有している重たい神輿も、台車をつければ楽に運べるのではないか」と考えたそうです。
ただ、ホイールを履いた神輿についてA氏は「まだ製作途中である」と話します。
「車輪で神輿を動かせるところまで完成したので、三宮神社に奉納してみました。
しかし、神輿の金塗りがまだ甘いなど細々した部分が気になるので秋祭りまでに完成させます」
秋祭りとは、三宮神社で毎年10月におこなわれる祭事であり、祀られる氏神様の後をスムーズについていく神々しい神輿となるように製作を続けていくとのことです。
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こうして一度SNSで話題となったこともあり、A氏が製作した神輿は、秋祭りでも大きな注目を集めることになるかもしれません。
地方ではかなり昔からありますよ!昔は道路事情がかなり悪路でしたので木の車に変えて車のタイヤを利用してスムーズな運行ができるようなりました。勿論町内会総出で車の知識がある方のおかげで完全手作りでした。ついでにハンドル操作もできました。今でも町内会の倉庫に眠っています。