サイズが合えばOK? 装着時の最高速度は? 車のタイヤチェーン「誤解しがち」な5つのポイント
雪道を走る機会が少なかったり、普段はスタッドレスだったりで、タイヤチェーンの使い方や選び方を知らない人も多いのではないでしょうか。今回はそんな知っていそうで知らないタイヤチェーンについて紹介します。
タイヤがチェーン指定のサイズでも要注意?
冬にクルマで走る際はタイヤチェーンの携行が推奨されています。
しかし、豪雪地帯ではスタッドレスタイヤが主流で、タイヤチェーンは少数派。降雪がほとんどない地域ではタイヤチェーンを装着する機会がほとんどなかったり、あったとしても数年に一度だったりで、タイヤチェーンについての知識がほとんどないドライバーも多いかと思います。
そこで今回は、タイヤチェーンにまつわる知識で「誤解がありそうなポイント」を5つ紹介します。

1:タイヤチェーンはサイズが合っていれば装着できる?
タイヤチェーンは、基本的にはタイヤのサイズに合ったものを選びましょう。
自分のクルマがモデルチェンジして乗り換えた場合でも、タイヤサイズは変わっていたためチェーンが使い回しできないといったことがあります。クルマを変えた際は、タイヤのサイズを必ず確かめる必要があります。
しかし、タイヤがチェーン指定のサイズでも、クルマに装着できない場合があります。
例えば非金属チェーンなどは、タイヤにしっかりフィットさせて装着するため、タイヤサイズは同じでも、チェーンは夏タイヤと冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)で別品番が適合する場合があります。
そのため、購入を検討する際は、装着対象が夏タイヤか冬タイヤかを考えてからタイヤサイズを調べる必要があります。
なお、特殊な形状をした一部銘柄は、一般的なタイヤサイズとは別の品番が適合する場合もあります。
さらに一部のオフロード用タイヤは、装着したチェーンがタイヤの溝に食い込んでしまい効果が発揮できないこともあるため注意が必要です。
特に溝が深いタイヤの場合は、車種ごとの適合をチェーンメーカーのウェブサイトで事前にチェックすることをおすすめします。
2:タイヤチェーンは装着できるが、実は危険な場合も?
前述のとおりタイヤチェーンは、サイズが合っていてタイヤに装着できれば大丈夫かというと、そういうわけでもありません。
タイヤチェーンはタイヤに巻いて使うため、タイヤとサスペンションのクリアランス(空間)が充分にないと走行時にチェーンがサスペンションに接触して切れたり、クルマが破損したりする恐れがあります。
必要とするクリアランスは2cmから3cm程度が一般的ですが、チェーンによって異なるため、購入する製品の必要クリアランスを知っておくと良いでしょう。
ちなみにサスペンションとのクリアランスがあった場合でも、ハンドルを左右にいっぱいに切った際にチェーンがボディに接触したりすると、破断や車体破損につながる恐れがあります。
そのため、試し履きの際はハンドルを左右に切ってボディなどに干渉しないことを確認しましょう。なお、このようなことは特殊なクルマに限った話ではなく一般的な国産乗用車でもあり得るため注意が必要です。
大手タイヤチェーンメーカーは、車名やグレード、年式、型式ごとのチェーンの適合を公表しています。これを参考にすれば、自分のクルマに合ったチェーンを安心して選べます。
ただし、サスペンションやタイヤ、ホイールのサイズを標準から変えた場合は、クリアランスを自分で測定する必要があります。
ちなみに筆者(yokohama)が調べた範囲では、21インチなどの大径ホイールタイヤなどに適合する乗用車用タイヤチェーンはなく、また一部のクルマには純正チェーンの設定がないなど、チェーン自体が装着できないクルマも少なからずあります。
そのような場合は冬用タイヤを装着するしかないため、降雪時期の前に冬タイヤに履き替えておく必要があります。
3:タイヤチェーンは駆動輪に装着すればOK?
一般的にFF(前輪駆動)のクルマは前輪に、FR・RR(後輪駆動)のクルマは後輪にタイヤチェーンを装着します。4WD(全輪駆動)の場合はFFベースかFR・RRベースかでどのタイヤにチェーンを巻くかを決めるといわれています。
いずれの場合も、クルマの取扱説明書にチェーンを装着するべきタイヤについての記載があるため、これに従いましょう。
ただしトヨタ「ハイエース」など一部のワンボックス車の場合は注意が必要です。
ハイエースの場合、チェーンを冬タイヤに装着する場合は後輪で良いですが、夏タイヤの場合は4輪に装着することが、タイヤチェーンメーカーによっては推奨されています。
ハイエースは重心が高く、積み荷の有無によってタイヤへの荷重も変わるため、後輪と前輪の両方にチェーンを巻かないと走行が不安定になることがあるとのことです。
4輪にタイヤチェーンを装着するのは手間もコストもかかりますが、事故が起きては元も子もないため、推奨されている使い方をおすすめします。



















