クロカン車なのに都会的なのがギャップ萌え! 小粋な絶版クロカン車3選
2022年もまだまだSUV人気は衰えそうにない勢いですが、このSUVの源流といえばクロスカントリー4WD車です。悪路走破性を重視したクロカン車は、見た目も機能的かつ重厚な雰囲気のモデルが多いですが、なかには都会的で洗練されたデザインのモデルも存在。そこで、往年のスタイリッシュなクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。
すでに絶版となってしまった都会的なクロカン車を振り返る
2021年は数多くの新型車が各自動車メーカーから発売されましたが、その多くを占めていたのがSUV
です。世界的なブームとなっているSUVの勢いは、2022年も続くと予想されます。
このSUVの源流を遡ると、クロスカントリー4WD車(以下、クロカン車)にたどり着きます。
クロカン車は軍用車から民生用に転用されたモデルから始まり、悪路走破性を重視。耐久性と機能性を優先していたことから、内外装も質実剛健なイメージがありました。
もともとスピードを求めるクルマではないので空力性能などはあまり考慮されておらず、無骨なデザインが主流でしたが、普段使いにも適したモデルへと進化すると、都会的で洗練されたデザインのクロカン車が登場。
そこで、往年のスタイリッシュなクロカン車を、3車種ピックアップして紹介します。
●いすゞ「ミュー」
いすゞは2002年に国内向け乗用車の生産・販売を終了しましたが、その最後のモデルだったのが、「ビッグホーン」と「ミュー」という2台のクロカン車でした。
なかでもミューは、スタイリッシュなデザインのショートボディ2ドア・クロカン車として1989年に誕生。
ベースは無骨な印象のビッグホーンですが、初代ミューは前後ブリスターフェンダーを採用するなど斬新で都会的なフォルムで、それまでのクロカン車のイメージを覆し、RVブームという時代背景もあってヒット作になりました。
そして、1998年には2代目が登場。外観はさらに都会的なスタイリングとなり、ボディは2ドアのみでレジントップと、後部が開閉可能なソフトトップが継承されました。
搭載されたエンジンは3リッター直列4気筒ディーゼルと3.2リッターV型6気筒ガソリンを設定し、駆動方式は全車パートタイム4WDです。
洗練されたデザインの2代目ミューでしたが、登場した時にはすでにRVブームは終焉していたことから、初代ほどのヒットには恵まれませんでした。そして、前述のとおり2002年に生産を終了しました。
現在いすゞは、アジア圏やオーストラリアなどで、ピックアップトラックの「D-MAX(ディーマックス)」をベースにしたミドルクラスSUV「mu-X(ミューエックス)」を販売しており、スタイリッシュなクロカン車として人気を集めています。
●ダイハツ「ロッキー」
ダイハツは2019年11月に、コンパクトSUVの「ロッキー」を発売。かつて販売していたクロカン車の車名が復活したことが、大いに話題となりました。
その元となった初代ロッキーは、1990年に誕生したコンパクトサイズのクロカン車です。
ロッキーは日本だけでなく、北米や欧州でも展開されるグローバルカーとして開発され、車体構造はラダーフレームに2ドアショートボディを架装する、クロカン車では定番のつくりでした。
ボディサイズは全長3800mm×全幅1635mm×全高1725mmと日本の道路事情に適したコンパクトさで、外観はシンプルでスクエアなフォルムですが、オーバーフェンダー状の前後フェンダーがアクセントになっており、スポーティかつスタイリッシュな印象です。
ボディタイプは3ドアのメタルトップワゴンと、リアのルーフからサイドウインドウにかけて取り外し可能な2ドアのレジントップがラインナップされました。
搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒ガソリンのみで、トランスミッションは当初5速MTだけでしたが、後に4速ATも設定。
サスペンションはフロントにトーションバースプリングのダブルウイッシュボーン、リアはリーフスプリングのリジッドアクスルとするなど、耐久性を重視していました。
初代ロッキーはコンパクトなクロカン車として一定の人気がありましたが、スズキや三菱にシェアを奪われてしまい、1997年に生産を終了。そして、前述のとおり22年の歳月を経て復活を果たしました。
●日産「テラノ レグラス」
日産は1986年に、初代「テラノ」を発売しました。当時アメリカで大人気だった「ダットサン ピックアップトラック(D21型)」をベースにステーションワゴンタイプのボディを架装し、悪路走破性とオンロードでの快適性を両立。
それまでのヘビーデューティなクロカン車とは一線を画した洗練されたデザインが好評を博し、ヒット作となりました。
そして1995年に2代目が発売され、1996年にはテラノの派生車として全車ワイドボディの「テラノ レグラス」が登場しました。
テラノ レグラスは北米でインフィニティ「QX4」として販売され、内外装のデザインもテラノよりもさらに都会的で高級感が追求されていました。
シャシはモノコックですが、ラダーフレーム状の構造部材と一体となった高剛性の「モノフレームボディ」を採用。
サスペンションはフロントがストラット、リアが5リンクのリジッドアクスルで、ショックアブソーバーの直立化や減衰力特性の最適化などにより、ハードな走行でも高い操縦安定性を誇りました。
搭載されたエンジンは3.3リッターV型6気筒SOHCガソリンと3.2リッター直列4気筒OHVディーゼルターボを設定。ディーゼル車は1999年に、新開発の3リッター直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボに換装されました。
トランスミッションは全車4速ATで、駆動方式は前後トルク配分をコントロールするフルタイム式と、パートタイム式を融合した。電子制御トルクスプリット4WDシステム「オールモード4×4」で、リアLSDをオプション設定するなど、あらゆる路面でも高い走破性を実現しました。
プレミアムなクロカン車というコンセプトだったテラノ レグラスですが、ニーズの変化によってクロカン車の人気が低迷したことから、2002年にテラノとともに生産を終了しました。
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現在、SUVのなかでも、各メーカーの主力はオンロードでの走行性能を重視した「クロスオーバー」です。
しかし、2021年から注目されているのがクロスオーバーをベースにオフロード性能を高めたモデルで、とくに北米市場を中心に流行の兆しがあります。
そうしたモデルは「オーバーランド(仕様)」と呼ばれ、2022年のトレンドになると予想されます。
テラノレグラスオーナーです。この度はテラノレグラスを取り上げていただきありがとうございます。購入して1年以上たちますが、他のテラノレグラスを見かけたことがないほどレアな車ですがこれからも乗り続けたいと思います!