空気抵抗減らすならトガッたノーズでしょ! シャープなノーズのスポーツカー3選

クルマが走っている時には、常に空気の影響を受けています。とくにスポーツカーの場合は、古くから空気抵抗と闘っていたといえるでしょう。そこで、シャープなフロントノーズのオールドスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

トガッたノーズのオールドスポーツカーを振り返る

 クルマは常に空気の影響を受けながら走っていて、速度や燃費、操縦安定性、音など、さまざまな要素に空気の流れが関係します。

シャープなフロントノーズが特徴のオールドスポーツカーたち
シャープなフロントノーズが特徴のオールドスポーツカーたち

 そのため、空力性能を向上させることは、どんなクルマでも良好な結果が出せるといえるでしょう。

 とくに速く走ることを追求したスポーツカーでは、空気抵抗の低減とともに、空気の流れを利用してダウンフォースを得られるボディ形状を模索してきた歴史があります。

 今では風洞試験やコンピューターによるシミュレーション技術が飛躍的に向上していることから、優れた空力性能のクルマが数多く存在しますが、そうした技術が未熟だった時代でも空力を強く意識したスポーツカーがありました。

 そこで、シャープなフロントノーズのオールドスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「フェアレディ 240ZG」

性能だけでなく今も語り継がるほど美しいフォルムの「フェアレディ 240ZG」

 日産は1969年に、初代「フェアレディZ」を発売しました。2シーターオープンカーだった従来の「フェアレディ」に対し、ボディやシャシ、エンジンに至るまで一新した次世代のスポーツカーでした。

 外観はクローズドボディのロングノーズ・ショートデッキと、古典的なスポーツカーのフォルムを生かした美しいファストバックスタイルを採用。

 そして、1971年には新たなバリエーションとして、輸出用の2.4リッターエンジンを搭載した「240Z」シリーズが加わりました。

 なかでも「240ZG」は、通称「Gノーズ」と呼ばれる空気抵抗を意識した専用形状のフロントノーズに、前後フェンダーに装着されたリベット留めのオーバーフェンダー、ダックテール状の小型リアスポイラーが装着され、空力性能の向上を強く意識したボディとなっていました。

 搭載されたエンジンは前述のとおり2.4リッター直列6気筒SOHCの「L24型」で、SU型ツインキャブレターを装着して最高出力150馬力(グロス)を発揮。

 240ZGはレースでも活躍したことから初代フェアレディZのイメージリーダー的な存在でしたが、1973年に排出ガス規制の強化などを理由に生産を終了しました。

 なお、フェアレディZの主戦場はアメリカでしたが、240ZGは日本のみで販売されたモデルだったことから、アメリカの愛好家にとって今も垂涎の的です。

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●マツダ「コスモスポーツ」

ロータリーエンジンの特徴を生かした秀逸なスタイリングの「コスモスポーツ」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車である「コスモスポーツ」を発売。

 外観は、コンパクトで高性能なロータリーエンジンの特徴を生かした未来的なデザインで、まさに空気を切り裂くようなシャープなフロントノーズに、低く流れるようなフォルムが斬新でした。

 エンジンは491cc×2ローター・ロータリーの「10A型」を搭載し、最高出力110馬力(グロス)を発揮。

 このエンジンによる動力性能は最高速度185km/h、 0-400m加速16.3秒に到達し、発売翌年の1968年には最高出力128馬力(グロス)にパワーアップされ、最高速度は200km/h、0-400m加速は15.8秒まで向上するなど、ロータリーエンジンの性能の高さを世に知らしめました。

 コスモスポーツは当時としては高額なスポーツカーながら、異例ともいえる月間30台前後の販売台数を記録する人気を獲得。

 その後コスモスポーツの成功を皮切りに、マツダはあらゆる車種にロータリーエンジンを搭載する「ロータリーエンジン・フルラインナップ化」を進めました。

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●ロータス「エラン」

高性能なエンジンと優れたハンドリングが高く評価された「エラン」

 イギリスを代表するスポーツカーメーカーのロータスは、レーシングカー・コンストラクターとして技術力を磨き、それを市販車にフィードバックすることで数多くの名車を世に送り出してきました。

 日本でもっとも有名なロータスのモデルといえばミッドシップカーの「ヨーロッパ」ですが、このヨーロッパ誕生の礎になったFRスポーツカーが「エラン」です。

 1962年に誕生したエランは、鋼板を組み合わせたバックボーンフレームにFRP製のオープン2シーターボディを架装した構造で、後に脱着式のハードトップやクローズドボディも追加されました。

 なお、この構造はヨーロッパにも採用され、さらに2代目「エリート」や「エスプリ」などにも受け継がれました。

 外観の特徴はリトラクタブルヘッドライトを採用したシャープなフロントノーズで、当時のFRスポーツカーでは定番だった極端なロングノーズ・ショートデッキではなく、前後のバランスがちょうど良いスタイリッシュなフォルムです。

 初期のシリーズ1の車重はわずか640kgで、エンジンは欧州フォード製直列4気筒OHVブロックにロータス製DOHCヘッドを組み合わせた、いわゆる「ロータスツインカム」を搭載。1.6リッターの排気量から最高出力105馬力を発揮し、優れた走行性能を実現。

 また、足まわりはフロントがダブルウイッシュボーン、リアはストラットの4輪独立懸架で、ハンドリングも高く評価されました。

 エランはその後も改良が続けられ、1973年にシリーズ4をもって生産を終了しました。

※ ※ ※

 今回、紹介した初代フェアレディZはアメリカで大ヒットしました。またエランは欧州とアメリカでヒットし、そのため今もこの2車は部品が潤沢に販売されています。

 古いクルマを維持する上で重要なのが部品の入手性で、グローバルでヒットしたクルマは部品が豊富に流通しているケースが多く、クラシックカーのなかでも比較的維持が容易といえるでしょう。

 また、欧米ではクラシックカーの愛好家が多く、修理や部品の製造がビジネスとして成り立っており、完全に文化のひとつとなっています。

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