スズキ「ジムニートラック」がスゴい! 違和感ゼロな荷台採用で軽トラ代わり! 世界でトラック化されるワケ
スズキ「ジムニー」「ジムニーシエラ」は本格4輪駆動車としてさまざまな場面で活躍しています。海外ではトラック化することで軽トラ代わりとしても人気なようです。
ジムニーが歴代でトラック化される背景とは
かねてから噂されているスズキ「ジムニー」をベースにしたピックアップトラック。
2019年にはオートサロンにおいて、スズキ「ジムニーシエラ(JB74)」(以下現行ジムニーシエラ)をベースにしたピックアップトラック(以下、ジムニートラック)が出展されて話題を呼びました。
そうしたなかで、海外ではさまざまなジムニートラックが販売されています。
現行ジムニーには開発当初から、さまざまなボディバリエーションが計画されているといいます。
しかし、新型コロナ禍や半導体不足の影響によって、ピックアップトラックどころか、既定路線の5ドアロングさえもまだ海外デビューしていないような状況です。
ジムニーは日本のみならず、海外でも大変な人気です。
レジャーユース以外に欧州ではとくにプロユースとしての需要が高くなっています。
例えばドイツでは、ジムニーは林業に欠かせない存在となっています。ジムニーのボディカラーには鮮やかなイエローが設定されていますが、これはドイツの林業での使用を考えて、注意喚起効果の高い色としてラインナップに加えられました。
イギリスでもジムニーは商用車として設定されています。これは厳しいユーロ5(排ガス基準)をクリアするのための裏ワザでもありますが、実際にジムニーを仕事で使うユーザーはむしろ日本よりも多いようです。
とくに、イギリスは農業国でもあるので、地形や路面、道幅を気にせず走れるクルマは、非常に重宝する存在だといいます。
一方で、日本であれば軽トラックという最強の農業車がありますが、海外にはコンパクトで積載力のあるクルマが存在しません。
そうしたなかで、ジムニーは積載力という点が弁慶の泣き所ですが、海外ではジムニーをベースにしたトラックをサードパーティが製造する例がいくつかあります。
イギリスのサムソンエンジニアリングは、3代目ジムニー(JB43/日本ではシエラ)をベースに、ピックアップトラックを造っています。
ヨンパー「JMV275コマーシャル」と「JMV275バーゲン」など5バリエーションをラインナップ。
コマーシャルは、農業などプロユースのためのモデルで、ホイールベースは2750mm。
後部には1.7m×1.69mの荷台を搭載しており、荷台に乗り降りするための折り畳み式ステップが搭載され、最大積載量は500kg。価格は1万7995ポンド(約270万円)です。
一方のバーゲンは、運転席まわりとの一体感を深めたデザインの、樹脂製荷台が付いています。
ホイールベース2250mmと、コマーシャルより短めです。荷台内部には、傷などを防止するライナーが付属しており、オプションでロールバーも用意されています。価格は16995ポンド(約255万円)。
ヨンパー・JMV275は3年の年月をかけて開発されました。一見すると、中古のJB43をボディカットして荷台を載せただけのようにも思えますが、すべてを完全に分解し、フレームはサンドブラストをかけています。
さらに新品にできる部品はすべて交換し、アッパーボディにはアンダーコートが施されています。さらにノーマルではドラム式のブレーキをディスク式に替え、トラックに合わせてスプリングを専用バネレート品に交換しているのもポイントです。
バックヤードビルダーが多いイギリスでは、こうしたコンバージョンをおこなう会社がほかにもあります。
シュロップシャークワッド社は、これまで先代(JB43)ベースのトラックを製造してきましたが、最近になって現行(JB74)ベースのトラック製造に転換しました。
このジムニートラックの特徴は、キャビン後部の処理の仕方です。
金属製のリアバルクヘッドパネルをカットしたボディに合わせ、サイドは樹脂パーツで化粧が施されます。
そのため、現代的でスタイリッシュな印象になっています。このパネルは車内と車外を隔てる仕切りしてだけでなく、いわゆる“鳥居”の役割もしてくれるようです。
荷台はアルミとステンレス素材が使われており、サイズは1175×1630mmと少々小ぶり。
ただし、25mmアップサスペンションと大径タイヤが装着されており、ヨンパーよりも高い走破性が与えられています。
オプションが豊富なのも特徴のひとつ。公式HPには価格が掲載されていませんが、市場から考えるに300万円以内と予想されます。