EVの残価率なぜ低い? 電動化担う存在も数年後のリセールバリューに期待出来ないワケ
EVのリセールバリューの低さはバッテリーの劣化にあり?
では、なぜリーフやホンダeのリセールバリューは、ガソリン車に比べて低くなってしまうのでしょうか。
そもそも、リセールバリューというものは中古車市場での需要と供給のバランスから決定されるものであり、主要な車種は年間数万台単位で取引がおこなわれていることから、将来の需要をある程度予測することができます。
一方、EVはガソリン車に比べて販売実績が少なく、そもそも5年以上販売している車種も数えるほどです。
そのため、5年、あるいはそれ以上の先の需要予測が立ちにくいことから、中古車市場におけるEVの需給バランスを見込みづらいという事情があります。
しかし、EVが持つもっとも根本的な課題はバッテリーの劣化です。
採用例の多いリチウムイオンバッテリーは、充電を繰り返すことでバッテリー内のイオンが減少するなどの理由で、使用すればするほど劣化してしまうことが避けられません。
バッテリーの劣化については、スマートフォンの例がよく知られています。一般的に、スマートフォンのリチウムイオンバッテリーは500回程度の充電で、その容量は50%から70%にまで劣化してしまうようです。
つまり、2年程度使用していると、明確にパフォーマンスの低下を実感することになります。
もちろん、ガソリン車も経年劣化によってパフォーマンスが低下することは考えられます。
しかし、故障していないにもかかわらず、新車に比べて航続可能距離が大きく減ったり、燃費や加速性能が大きく劣化したりということはまずありません。
一方で、バッテリーの劣化を解決するためには、バッテリーそのものを新品交換するなどの方法が考えられます。
実際、日産ではリーフのバッテリー交換プログラムを2018年から用意していますが、30kWhのもので80万円の費用がかかるなど、気軽に交換できるものとはいえません。
このように、バッテリーの劣化という大問題によって、EVのリセールバリューが低くなっているのが現状です。
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一方、バッテリー関連の技術は日進月歩で進歩しています。トヨタが開発中のEV「bZ4X」では、10年間あるいは24万kmの使用でも90%程度の劣化にとどまるバッテリーが採用されるとして、現在のガソリン車と変わらずに使用できるクルマとなることが期待されています。
そうした長寿命バッテリーが一般化するにつれて、EVのリセールバリューも高くなっていくことが予想出来ます。
今頃気付いたか、
BEVは持続可能な車では無いという事に