流行に乗っても「ありきたり」じゃつまらない! 現行モデルの個性派SUV3選
ここ10年ほどで、急激に人気が高くなったクルマといえばSUVです。いまや各メーカーとも、もっとも力を入れているモデルで、次々と新型SUVが登場しています。そこで、現行の国内モデルのなかから個性派のSUVを、3車種ピックアップして紹介します。
個性的な現行モデルのSUVを振り返る
2010年代になって、徐々に人気が高くなっていったSUVですが、今やブームになったといっても過言ではありません。世界中のメーカーから次々と新型SUVが登場しており、人気もますます上昇しています。
もともとSUV(Sport Utility Vehicle)というジャンルのクルマは存在していませんでしたが、起源は1960年代から1970年代に、アメリカの若者がピックアップトラックの荷台にシェル(キャノピーとも)を載せて、アウトドアスポーツやレジャーに使ったのが始まりといわれています。
また、ワゴンタイプのクロスカントリー4WD車もSUVの源流となるモデルで、黎明期のSUVはクロカン車をモチーフにしたデザインが主流でした。
その後、SUVはさまざまなセグメントのモデルが誕生し、近年はオンロード性能を重視したクロスオーバーが人気です。
一方、急激に増えたSUVとあって、なかなか個性的なモデルが少ないのが現状で、デザインも流麗なフォルムがトレンドになっています。
そこで、国内が販売している現行モデルのなかから個性派のSUVを、3車種ピックアップして紹介します。
●スズキ「クロスビー」
スズキのSUVというと、今やグローバルで高い人気を誇っているクロカン車の「ジムニー」が代表的な存在ですが、もっとライトなSUVとして「ハスラー」と「クロスビー」がラインナップされています。
ハスラーは2014年に初代が誕生。軽トールワゴンタイプのクロスオーバーSUVで、愛嬌のあるフロントフェイスと、オフロード車のテイストを反映した外観デザインから人気となりました。
そして、スズキは次の一手として、2017年末にコンパクトクロスオーバーSUVの「クロスビー」を発売。
クロスビーのデザインはハスラーに酷似していますがプラットフォームは異なり、ボディサイズは全長3760mm×全幅1670mm×全高1705mmと登録車で定員は5名となっています。
スタイリングはボクシーなフォルムですが、曲面を多用することで張りのあるSUVらしい力強さを感じさせます。また、バンパーやフェンダーアーチとボディのカラーリングを分けることで、アウトドアギアの機能的なイメージを表現。
フロントフェイスは初代ハスラーのファニーな印象に対してサイズが大型化されたことと、スポイラー形状のフロントバンパーの造形が相まって、押し出し感を強調しています。
なお、最低地上高は180mmと余裕があり、4WDモデルでは滑りやすい路面でも駆動力を確保する「グリップコントロール」や、急な下り坂でもブレーキを自動で制御してスピードを7km/hに保つ「ヒルディセントコントロール」を装備するなど、悪路走破性も高めています。
搭載されるパワーユニットは最高出力99馬力を発揮する1リッターの直列3気筒ターボエンジンと、3.1馬力のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドのみで、全車6速ATを採用し、価格(消費税込、以下同様)は180万5100円からです。
●トヨタ「ハイラックス」
1990年代の初頭に、日本の自動車市場では「RVブーム」が起こりました。当時はクロカン車が爆発的にヒットし、各メーカーから販売されていましたが、多くのクロカン車のベースだったのが、4WDピックアップトラックです。
RVブームの時には4WDピックアップトラックも数多く販売されましたが、ブームの終焉とともに人気もなくなり、一時は国内メーカーのラインナップから消滅してしまいました。
しかし2017年にトヨタは、タイで生産している「ハイラックス」を日本で再販することになり、2004年に日本での販売を終了して以来13年ぶりの復活を果たしました。
タイでは2WDのモデルやシングルキャブも設定されていますが、日本で展開されているのは4WDのダブルキャブのみで、エンジンは最高出力150馬力の2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、トランスミッションは6速ATのみです。
外観はピックアップトラックとしては王道のスタイリングで、機能的かつ力強さみなぎるフロントフェイスに、複雑な曲面を多用したボディは「働くクルマ」のイメージを感じさせない、スタイリッシュなデザインです。
また、強固なラダーフレームにボディを架装した構造と、パートタイム4WDながらスリップしたタイヤに自動でブレーキをかけてほかのタイヤで駆動力を確保し、スタックからの脱出を容易にする「アクティブトラクションコントロール」を装備するなど、悪路走破性の高さは折り紙付きです。
2021年10月8日には一部改良と同時に、よりスポーティな内外装にカスタマイズされた「ハイラックス Z“GR SPORT”」が追加ラインナップされ、現在、国内メーカーでは唯一無二のピックアップトラックとして存在感を高めています。
価格は352万7000円から、Z“GR SPORT”は431万2000円で、全車とも安全運転支援システムを標準装備しています。
●スバル「レガシィ アウトバック」
2021年10月7日に、スバルは新型「レガシィ アウトバック」の日本仕様を発表しました。ステーションワゴンタイプのSUVでは先駆け的存在だったレガシィ アウトバックは、北米市場では2019年に6代目となる新型モデルが発表されていましたが、日本では従来モデルの5代目のまま刷新されていませんでした。
そこで、7年ぶりとなる新型が日本でも登場しました。
レガシィ アウトバックは1994年に、2代目「レガシィ ツーリングワゴン」(当初はセダンベースもあり)をベースに悪路走破性を高めたモデルとして、スバル「アウトバック」の名でアメリカから発売。
続いて日本では1995年に「レガシィ グランドワゴン」の名で登場しました。その後車名を「レガシィ ランカスター」に変え、2003年発売の3代目から国内モデルがレガシィ アウトバックとなり、現在に至ります。
新型レガシィ アウトバックのコンセプトは歴代モデルのコンセプトを継承しつつ、よりSUVらしい機能的かつスタイリッシュな外観へと変貌を遂げました。
搭載されるエンジンは最高出力177馬力を発揮する1.8リッター水平対向4気筒直噴ターボに刷新し、トランスミッションは新型のリニアトロニック(CVT)で、8速マニュアルモードを採用し、なめらかな走りと同時に操る愉しさも一段と高めています。
駆動方式は当然ながらフルタイム4WDで、4輪の駆動力とブレーキを自動で制御する「Xモード」を搭載。高剛性のシャシに213mmという最低地上高と相まって、クロスオーバーSUVながら悪路走破性も高めています。
また、安全運転支援システムも最新の「アイサイトX」を全車標準装備し、万が一の時にSOSコールも可能なネクティッドサービスを採用するなど、安全性能の飛躍的な向上が図られました。
グレード構成はアクティブな「X-BREAK EX」と、より高品位な「Limited EX」を設定し、価格はX-BREAK EXが414万7000円、Limited EXが429万円です。
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前述のとおり次々に登場している新型SUVですが、直近では日本だけでなく海外メーカーからもEVの発表が相次いでいます。
脱炭素社会実現のために自動車のEV化は必須となっており、SUVはスペース効率の高さからEVとしてもバッテリーの搭載に最適なモデルだからです。
一方で、新型SUVが登場するスパンはかなりのハイペースといえ、ユーザーからすると車種の選択や購入時期を見極めるのは難しくなっているのではないでしょうか。
カッコいいのが出た!欲しいがPHVを出して〜。
電気自動車でもいいと思うよ。トヨタさん私にお宅以外の車買いません。