なぜスライドドアに人気集中? ワゴンRスマイルやルーミーなどスライドドア車が売れまくる3つの理由
少子高齢化でも依然としてミニバンの人気が高い
スライドドアが人気を得ている3つ目の理由は、いまでは30歳以下の比較的若いユーザーが、幼い頃からスライドドアに親しんで育ったことがあげられます。
たとえばホンダ初代「ステップワゴン」は1996年に発売されていますが、スライドドアを備えたミニバンは1990年代の中盤から急速に普及しました。
そのために1990年以降に生まれた世代には、ミニバンを使い慣れているユーザーが多く、スライドドアは横開き式のヒンジドアよりも乗り降りがしやすいといった機能以前の話として、スライドドアの装着が当たり前になっているのです。
このようなユーザーは、2列と3列シート、あるいは軽自動車と小型/普通車を問わず、さまざまなカテゴリーでスライドドアを備えたクルマを求めます。
そこで国内市場を重視する軽自動車では、いろいろな全高の車種にスライドドア装着車を用意。スペーシアやタントのような広い室内はいらないけれど、スライドドアは欲しいというユーザーが増えたからです。
小型車でもトヨタ「ルーミー」は、発売から5年を経過しながら販売は絶好調です。全長が3700mm(標準ボディ)のコンパクトカーですが、全高は1735mmと高く、後席側のドアはスライド式を採用しています。
トヨタの販売店によると「子育てを終えたお客さまが『ヴォクシー』のようなミニバンからダウンサイジングしたり、逆に『ヴィッツ』のお客さまに子供ができて、背の高いルーミーに乗り替えることもある」といいます。
このほかコンパクトミニバンのホンダ「フリード」やトヨタ「シエンタ」、ラージサイズミニバンのトヨタ「アルファード」なども売れ行きが好調で、販売ランキングの上位には、依然としてミニバンを始めとするスライドドア装着車が多いです。
以前は「少子高齢化になるからミニバンの売れ行きも下がる」といわれ、トヨタは「エスティマ」や「アイシス」などを廃止しましたが、実際にはミニバン人気はあまり衰えていません。
子育て世代以外も便利に使え、その利便性の中核にあるのがスライドドアだから、装着する車種が増えているのです。
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スライドドアを装着するにはスライドレールが必要なので、一般的に開口部の上下寸法を十分に確保するに全高を1600mm以上に設定する必要があります。
また、スライドレールには大きな傾斜を付けられないので、ボディスタイルも水平基調になり、車両重量は50kg程度重くなります。
このように、スライドドアの装着はクルマ造りに制約を課す面もあるものの、売れ行きを伸ばす効果も大きいのです。
今後も既存の車種のフルモデルチェンジを含めて、スライドドアを備えた新型車が続々と投入されることでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
ラウムや2代目ekワゴン以来途切れた高さ1550mm以下のスライドドア車復活しないかな
立体駐車場じゃ死活問題なのにあと数年で
全車旧車増税の対象になるのは理不尽
私も同意見です。
このままではスライドドアを諦めざるを得ません。。
街中での立駐は155以下が多いし。。
どのメーカーでもいいから出せび飛びつくユーザーは一定数いると思います。特にラウムユーザーは本当に困っています。。
ルーミーじゃなくてソリオが先でしょ。
敢えて外しましたね。