まるで「プロの実力」 マツダの自動運転技術がスゴい! 他社と違う「人間中心」の考えとは

マツダの自動運転は「プロドライバー」並の実力を持つ?

 では、なぜ、このようなことができるのでしょうか。それは最後のデモ走行でわかりました。

 ステアリング右側にあるACCの「SET」を押すと、アクセル/ブレーキとステアリング操作をシステムが担当、つまり自動運転モードです。

 筆者は運転席でハンズオフかつアクセル/ブレーキも操作せずその様を見ていましたが、応答遅れはなく、操舵は滑らか、無駄なGを掛けないなど、マツダが提唱する「滑らかな走り」をシステムが再現。つまり、プロドライバーが操っているかのようなドライビングでした。

 今回は、40km/hから50km/hくらいのペースでの走行でしたが、エンジニアに聞くとその実力はテストコースの制限速度(安全速度ではなく限界速度に近い)までOKだと自身を見せます。

 これはシステムだけが優れているのではなく、システムの指示に的確に応える「基本性能」があるから可能です。

 つまり、マツダの「走る歓び」は高度運転支援へのスタートラインでもあったのです。

マツダの高度運転支援技術「Co-Pilot」でも「走る歓び」を体感出来る!?
マツダの高度運転支援技術「Co-Pilot」でも「走る歓び」を体感出来る!?

 このようにシッカリとした自動運転技術を備えているからこそ、緊急時にシステムに委ねることができるのです。

 つまりマツダと他社の違いは、自動運転技術を「どのようなシーンで役立てるのか?」だけの違いで、自動運転技術の本質である「ドライバーをサポートする」という部分は何も変わりません。

 ちなみに今回の実験車両は2025年頃に市場投入を予定しているスペック(Co-PILOT2.0)に近い仕様ということですが、2022年登場予定のFRシャシを用いたラージ商品群には、その第一ステップとなる「Co-Pilot 1.0」を搭載予定。今回体感した機能の一部が盛り込まれるそうです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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