ボンドカーに再びトヨタ車が使われた!? 実写カーアクションが秀逸な映画3選
2021年10月1日に、映画「007」シリーズの最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が日本で公開されます。007シリーズといえば、クルマ好きにはボンドカーが気になるところでしょう。そこで、実写カーアクションが秀逸な映画を3つピックアップするとともに、劇中に登場するクルマを紹介します。
優れた実写カーアクションの映画に登場するクルマを振り返る
2021年10月1日から、映画「007」シリーズの最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が日本で公開されます。
1962年に第1作目の「007 ドクター・ノオ」が公開されてから25作目にあたり、本作でジェームス・ボンド役のダニエル・クレイグが最後の出演となることも、大いに話題となっています。
007シリーズといえば劇中に登場するクルマ「ボンドカー」が注目され、どんなクルマが選ばれるのか、どんな秘密兵器を搭載しているのかなど、クルマ好きにはたまらない映画です。
また、近年はカーアクションをCGで製作するケースもありますが、007シリーズでは極力実写にこだわっているといいます。
そこで、実写カーアクションが秀逸な映画を3つピックアップするとともに、劇中に登場するクルマを紹介します。
●「007」シリーズ
映画007シリーズはイアン・フレミングの長編小説を原作とした映画で、イギリスの諜報機関「MI6」に所属するエージェントのジェームス・ボンドが、世界を危機に陥れようとする秘密組織や犯罪組織と戦う物語です。
最新作の007/ノー・タイム・トゥ・ダイはシリーズ25作目で、「00(ダブルオー)」エージェントを引退したボンドが、旧友から助けを求められて再び任務に復帰するというストーリーが展開されます。
これまで007シリーズに登場するボンドカーは数多く存在しますが、とくに有名なモデルを挙げると、日本を舞台とした「007は二度死ぬ」(1967年)に登場したトヨタ「2000GT」ではないでしょうか。ボンドが運転するシーンは登場しませんが、オープンカーに改造された姿は美しく、印象に残っています。
また「007 私を愛したスパイ」(1977年)では、潜水艇にもなるロータス「エスプリ」が登場。当時、日本ではスーパーカーブームの真っ最中とあって、エスプリの活躍に昭和の少年たちも夢中になりました。
そして、歴代ボンドカーのなかでもっとも多くの作品に登場するのが、アストンマーティン「DB5」です。
DB5が初めて登場したのはシリーズ3作目にあたる「007 ゴールドフィンガー」(1964年)で、DB5のデビューが1963年ですから当時の最新モデルでした。
劇中では、複数のナンバープレートを表示する機能や、マシンガン、リアの防弾パネル、追手をかわすオイル噴出装置、射出可能な助手席など、数多くのギミックや兵器が搭載されており、後のボンドカーのコンセプトの原点にもなった1台です。
4作目の「007 サンダーボール作戦」(1965年)でもDB5が使われ、さらに後の作品ではボンドのプライベートカーとしても登場するなど、ボンドカーの代表的なモデルといえます。
そして2020年6月には、アストンマーティンがDB5のボンドカーを、限定25台で新車として復刻すると発表。「DB5 ゴールドフィンガー・コンティニュエーション」の名で、映画に登場したモデルと同じ装備が搭載され(マシンガンなどはダミー)、価格は3億8000万円でした。
ただし公道走行はできず、あくまでもコレクション用としての販売となっていましたが、マニア垂涎のモデルです。
なお、予告編によると007/ノー・タイム・トゥ・ダイにも、秘密兵器を搭載したDB5が登場します。
さらに、最新作ではトヨタ 2000GT以来となる日本車、トヨタ「ランドクルーザープラド」も使われており、ランドローバー「レンジローバー スポーツSVR」と迫力ある実写のカーチェイスを繰り広げます。
●バニシング in 60”
1974年に公開された「バニシング in 60”」は、どんなクルマでも60秒で盗む自動車窃盗団を題材としたカーアクション映画で、元レーサーで保険会社の嘱託調査員をする主人公のメインドリアン・ペイスが、依頼されたクルマを盗んで取りそろえる窃盗団のボスという設定です。
元スタントマンのH・B・ハリッキーが、製作、監督、脚本、主役だけでなく、自らスタントシーンでもステアリングを握って撮影に挑みました。
ストーリーは盗難するクルマに女性の名前を付けて着々とこなしていきますが、リストの最後の1台である「ELEANOR(エレノア)」と名付けた1973年型フォード「マスタング マッハ1」を盗むと警察に追跡され、激しいカーチェイスを繰り広げるというものです。
クライマックスのカーチェイスで使用されたのは、1971年型のマスタング マッハ1で、劇中車は1973年型の外装にモディファイされていました。
カーチェイスは延々と40分も続き、映画史に残るほどの迫力で、実際にH・B・ハリッキーは意識を失うほどの怪我をしたという逸話もあります。
ほかにも劇中車ではロータス「ヨーロッパ」、メルセデス・ベンツ「300SL」、シボレー「コルベットスティングレイ」、マセラティ「ギブリ」、フェラーリ「365GTB/4 デイトナ」など、数々の名車が登場しました。
なお、1989年に続編の撮影をおこなっていた際に、撮影中の事故でH・B・ハリッキーは帰らぬ人となってしまいました。
その後、バニシング in 60”は2000年にニコラス・ケイジ主演で「60セカンズ」としてリメイクされ、こちらの作品でもエレノアの名でシェルビー「マスタング GT500」が登場します。
●キャノンボール
1981年に公開された「キャノンボール」も、クルマ好きが夢中になった映画です。監督はカーアクション映画の「トランザム7000」でもメガホンを取ったハル・ニーダムで、主役のバート・レイノルズ、ジェームス・ボンド役でお馴染みのロジャー・ムーア、ジャッキー・チェン、ファラ・フォーセット、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィスJr、ピーター・フォンダなど、豪華キャストの出演が話題となりました。
ストーリーは、アメリカの東海岸から西海岸まで、いかに速く横断するかを競う非合法のレースをおこなうというもので、1970年代に始まった本当のレースをモチーフしていたといいます。
劇中車ではジャッキー・チェンがスバル「レオーネ」(続編では三菱「スタリオン」)、ロジャー・ムーアが前出のDB5、ディーン・マーティンとサミー・デイヴィスJrのコンビがフェラーリ「308GTS」など、数多くの名車が登場しますが、オープニングから登場する美女コンビのランボルギーニ「カウンタック」がもっとも印象的だったのではないでしょうか。
このカウンタックは1979年型の「カウンタック LP400S」で、監督のハル・ニーダムが友人から借りたものをベースに、劇中車ではフロントにウイング状のスポイラーとふたつの補助灯(スポットライト)、3本のアンテナ、そしてなんと12本出しマフラーが追加されていました。
冒頭では甲高いエキゾーストノートを発するブラックのカウンタックが、トランザムのパトカーに追跡されるシーンから始まりますが、この姿と音は圧巻でした。
そして、公開から40年経った2021年9月29日、キャノンボールは史上もっとも象徴的な自動車映画のひとつと見なされ、劇中のカウンタックが米国議会図書館の国立歴史車両登録簿に登録されることになりました。
ランボルギーニはこれを記念して、同日からワシントンDCのナショナルモールのガラスケースのなかに収めた劇中車を展示しています。
ちなみに、このカウンタックは映画公開後すぐに実業家に売却され、2004年にはランボルギーニ愛好家である弁護士が購入して現存していました。
※ ※ ※
近年の007シリーズではタイアップ色が強く、とりあえず劇中に登場しただけで活躍しないボンドカーもありましたが、ダニエル・クレイグがボンドを演じた作品ではボンドカーのカーアクションも大いに見どころとなっています。
前述のとおり、007/ノー・タイム・トゥ・ダイが最後の出演となるダニエル・クレイグは、かつてインタビューで好きなボンドカーを聞かれると、トヨタ 2000GTと答えたそうです。
劇中ではあまり活躍しなかったトヨタ 2000GTでしたが、海外の007ファンからも名ボンドカーとして支持されており、強烈な印象を残していたといえるでしょう。
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