振り返ってみるとグッドデザイン? 意外とスタイリッシュなのに不人気だった車3選

現在、日本の自動車市場では、軽自動車やコンパクトカー、SUVが売れています。しかし、少し前に登場した同種のクルマのなかにはヒットに恵まれなかったモデルも存在。そこで、いま見ると意外とスタイリッシュながら残念な結果になったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

さまざまな理由で不人気となったクルマを振り返る

 数年ほど前から、日本の自動車市場では軽自動車がもっとも売れています。さらに、SUV人気が続いており、コンパクトカーも常に販売台数の上位に位置する存在です。

かなり気合が入ったデザインなのに売れなかったクルマたち
かなり気合が入ったデザインなのに売れなかったクルマたち

 一方、こうしたトップセラーと同ジャンルのクルマは、昔から人気があったわけではありません。

 さまざまな理由から売れずに消滅してしまったモデルもあり、しかも、今なら再評価されても不思議ではないと思われるようなモデルも存在。

 そこで、見た目は意外とイケていながらも残念な結果となってしまったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●ダイハツ「ソニカ」

トールワゴンが主流の市場に、果敢に挑んだものの売れなかった「ソニカ」

 1993年にスズキ初代「ワゴンR」が発売されると大ヒットを記録し、軽トールワゴンという新ジャンルを確立しました。その後、各メーカーが追従して、トールワゴン/ハイトワゴンが軽自動車の主流となり、現在に至ります。

 そんな軽自動車市場にダイハツは、2006年にプレミアムな軽スペシャリティカー「ソニカ」を投入しました。

 ソニカは軽自動車ながらロングドライブを快適に走行できることをコンセプトに開発され、ボディスタイルは2ボックスのセダンタイプで、主流に反する1470mmという低めの全高によって、ロングルーフのスタイリッシュなフォルムを実現。

 6ライトとしたサイドウインドウのデザインも軽快感のある斬新な形状で、ソニカのスタイリングの特徴です。

 この低い全高による低重心化と併せてロングホイールベース化により、優れた走行安定性と乗り心地の良い快適な走りも両立していました。

 エンジンは余裕ある高速性能とするために、全グレードとも最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒DOHCターボを搭載し、トランスミッションはCVTのみを設定。

 さらに装備も充実しており、キーフリーシステムや花粉除去モード付きのオートエアコン、セキュリティアラームなどが搭載されました。

 発売当初、ソニカは高く評価されましたが、ターゲットとしていた若い世代にはトールワゴン/ハイトワゴンのニーズが高く、ソニカの販売は低迷。

 そして、発売からわずか3年ほどの2009年に、異例の短期間で生産を終了しました。

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●スズキ「バレーノ」

さまざまな要因が重なったことで不人気車となってしまった「バレーノ」

 1980年代に国内メーカーは海外に工場を設立して、現地生産を開始。とくに欧米が重視されたなか、スズキは他メーカーに先駆けてインドに進出を果たし、これまで数多くのモデルを現地生産してきました。

 そんなモデルのなかの1台がグローバルカーとして開発された「バレーノ」で、日本でも2016年に初のインド製輸入車として販売されました。

 バレーノはベーシックな5ドアハッチバックのコンパクトカーで、ボディサイズは全長3995mm×全幅1745mm×全高1470mmとグローバルカーにふさわしく3ナンバーサイズです。

 外観はキャビンを小さく見せるデザインによって、カタマリ感と安定感のあるワイド&ローなフォルムを実現。

 グレードは搭載されたエンジンによって分けられ、最高出力102馬力を発揮する1リッター直列3気筒ターボと、91馬力の1.2リッター直列4気筒自然吸気の2タイプを設定し、トランスミッションはターボがパドルシフト付き6速AT、自然吸気はCVTが組み合わされました。

 また、バレーノの特徴のひとつに、自然吸気車が910kg、ターボ車が950kgと、3ナンバー車ながらも軽量なボディとなっていたことが挙げられます。

 さらに、運転席シートヒーター、ミリ波レーダー方式による衝突被害軽減システム、アダプティブクルーズコントロールなどを標準装備しながら、価格は141万4800円(消費税8%込)からと戦略的な価格設定でした。

 バレーノはインドでは大ヒットを記録し、トヨタにもOEM供給されてさまざまな国と地域でも販売されましたが、日本ではターボ車がハイオク仕様だったことや、同クラスのモデルと比べて内装の質感が劣ると指摘されたことから販売は低迷。

 2018年にターボ車もレギュラー仕様となる改良がおこなわれましたが、販売台数が好転することなく、2020年6月をもって販売を終了しました。

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●ホンダ「エレメント」

今なら売れていたかもしれない個性的なミドルサイズSUVの「エレメント」

 ホンダは1980年代初頭に、他メーカーに先駆けてアメリカに工場を設立して現地生産を開始しました。

 当初は、国内モデルと同型の2代目「アコード」の生産からスタートしましたが、その後、アメリカホンダで企画・開発された「アコードクーペ」を発売するなど、現地のニーズに合わせた専用車種を展開。これまで豊富なラインナップの北米専用車を販売しています。

 そのなかの1台が、2002年にアメリカで発売されたミドルサイズSUVの「エレメント」です。

 エレメントは「ジェネレーションY」と呼ばれるアメリカの若年齢層をターゲットに開発され、ボクシーで個性的なフォルムのステーションワゴンタイプの外観と、センターピラーレスで前後ドアが観音開きとなっていることが特徴です。

 また、ボディはバンパーやフェンダーなど無塗装の樹脂パーツを多用することで、アウトドアギアのような機能性を表現していました。

 ボディサイズは10フィート(約3m)のロングボードが室内に格納できることを前提に設計され、実際に内装も汚れたままの道具も気にせず積める水拭き可能なフロア素材や、防水シート表皮、撥水ルーフライニングを採用するなど、機能性が重視されています。

 北米市場では個性的なデザインと機能性によって目論見どおり若者から人気となり、2005年には日本でも輸入車として発売されました。

 しかし、日本では奇抜なデザインが受け入れられず販売が低迷し、発売からわずか2年8か月で販売を終了。北米ではその後も販売が継続され、フロントフェイスのデザイン変更などマイナーチェンジがおこなわれつつ2011年に生産を終えました。

※ ※ ※

 最後に紹介したエレメントは、SUV人気の高まりとユニークなデザインが再評価されて、現在は中古車の価格が上昇しています。

 同様に再評価されているのが、ホンダの3列シートSUV「クロスロード」や日産「ラシーン」が挙げられ、やはり中古車が人気です。

 どのモデルも近年のSUVとはデザインの方向性が異なり、それが逆に斬新な印象を醸しています。まさに出るのが早すぎたモデルといえるかもしれません。

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