マフラーの数はなぜ車種でバラバラ? 1本から4本で何が違う? EV化で消えるのか
電動化で変わるマフラーの役割
近年ではエンジンのハイブリッド化やダウンサイジング化が進み、大排気量エンジンを搭載したクルマはかつてに比べて減りつつあります。
排気量が少なくなれば、複数出しのマフラーや大径のマフラーの必要性はそれほど高いものではなくなります。
実際、トヨタ「プリウス」やホンダ「インサイト」のような電動化をウリにしている車種では、あえてマフラーを目立たさないようなデザインとされている例が少なくありません。
今後電動化が進めば進むほど、大排気量のエンジンを搭載したクルマは減少する傾向にあると見られ、それにともない複数出しのマフラーや大径マフラーを採用したクルマも減少することが考えられます。
さらにいえば、電気自動車(EV)ではそもそもエンジン音や排気ガスを出さないため、マフラーそのものが不要になります。
そうなると、マフラーに求められる役割は、消音や有害ガスの緩和といった機能的なものではなく、リアエンドにデザイン上のアクセントを与えるためであったり、スポーティさを演出するためであったり、といったエモーショナルなものへと変化していくと考えられます。
現在でもそうした傾向は一部の車種で見られています。
例えば、実際には必要最小限のマフラーしか搭載されていないにもかかわらず、デザイン上は両側2本出しのように見えるようにされているという例が、ドイツ車などを中心に見られています。
電動化が進んだとしても、マフラーがデザインに与える影響は大きいことから、このような事例は今後増えてくるかもしれません。
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電動化が進むと、既存の内燃機関車に存在したパーツが必要なくなってしまったり、役割が大きく変わったりということが考えられます。
マフラーはそのもっともわかりやすい例のひとつといえるかもしれません。