悲劇を繰り返さない為に 池袋暴走一審判決を受け考える高齢ドライバー問題 「ドラレコ」活用も対策に有効?

ドラレコなどで運転の実態を認識することも有効か?

 サポカーは新車、または年式のかなり新しい中古車を対象としているため、経済的な理由などから、現在使用しているクルマからサポカーに買い替えることが難しい人もいるでしょう。

 そうした古いクルマを今後も使い続けるうえで、家族や地域の人たちが日頃から高齢ドライバーを見守ったり、状況によっては危険な運転に対する注意喚起をする必要もあるかもしれません。

 例えば、高齢ドライバーが運転を継続することについて、自分自身でどう考えているか、さらに家族はどう見ているかをドライブレコーダーの映像から実際の運転状況を把握することも有効です。

ドライブレコーダーの映像で運転状況を判断することも可能
ドライブレコーダーの映像で運転状況を判断することも可能

 また、自主的に運転する条件を限定する方法もあります。例えば、福井県がおこなっている限定運転や、福岡県警による補償運転があります。

 具体的には、夜の運転は控える、朝夕の通勤通学時間帯は交通量と人流が増えるので運転を控える、近くのスーパーや病院など決まった行き先として運転する、または運転する場合は可能な限り助手席に家族が同乗するといった条件付けを、自主的に決めることで、事故のリスクを抑える方法です。

 こうした、さまざまな対応策を考えたり、または実際におこなったうえで、運転免許を更新するかどうか、または自主的に免許取り消しを申請する免許の返納をおこなうべきかを、個人や家庭の事情、そしてお住いの地域での公共交通や移動サポートの現状を踏まえて、じっくり考えるべきだと思います。
 
 運転免許は住民票やパスポートのように申請するだけで取得できるものではなく、学科と実技の試験によって運転するに十分な知識の能力があることを証明することで得られる国家資格です。

 クルマを運転することは、ドライバーが社会に対して自己責任を持つことを意味します。

 池袋暴走事故が高齢ドライバーのみならず、すべてのドライバーにとって安全運転を考えるための教訓になることを祈ります。

【画像】そもそも東池袋の事故での急加速はあり得ない? 理由を画像で見る(10枚)

買って終わりじゃない!購入後も進化する最新トヨタ

画像ギャラリー

Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー