フェラーリやランボが生まれた「モーター バレー」とは? 毎年開催されるフェスに潜入調査
本当の自動車文化をいまに伝える展示会とは
モデナの中心街から少し離れたシェフ、マッシモ・ボットゥーラが所有するレストラン・ホテル Casa Maria Luigia(カーザ・マリア・ルイジャ)では、第1回目となる、フェラーリのみのコンクールデレガンス「Concorso Cavallino di Modena」、そしてSalvarola Terme(サルヴァローラ テルメ)では今年で21回目の開催となる「Concoues d’Elegance-Trofeo Salvarola Terme」と、ふたつのコンクールデレガンスが開催された。
●モデナらしい展示のかずかず
コンクールが終わると同時に両イベントの参加車両のパレードが、各会場からモデナのピァッツァ・ローマまでおこなわれ、モデナの旧市街を貴重なクラシックカーが次々と通り過ぎた。
その走り去る姿を見て、1950年から1960年代、世界中からモデナを目指してやって来たカーガイ達も、このように当時の先端だったスーパーカーに乗り込み、この街を走り回っていたのだろうと、想像が膨らんだ。
そしてモデナの地だからこそできる、モデナの職人、アーティスト、ドライバーの展示会がそれぞれ4つの会場でおこなわれた。各会場とそこでおこなわれた展示会を紹介しよう。
●1/Mata(会場)「Alessandro Rasponi」
モデナ在住のアーテイストのアレッサンドロ・ラスポーニ。彼と話していると必ず「パッション」という言葉が何回も飛び出てくる。アレッサンドロのパッションが彼の筆を通じ、この地で活躍したレジェンド達を蘇えらせた。エンツォ・フェラーリ、セナ、フェルッチオ・ランボルギーニ、その他、モータースポーツに関係する人物の作品が展示された。
●2/Chiesa Madonna del Voto(会場)「Schedoni(スケドーニ)展」
世界トップクラスの高級自動車メーカーのトラベルバックを製作するスケドーニは、常に上質にこだわり続けている。教会のなかに飾られたスケドーニの作品は気品に溢れ芸術作品となって輝いていた。
創業140年の歴史はモデナから世界へと羽ばたいていく。
●3/Manifattura Tabacchi(会場)「Artigiani del Terzo Millennio」第3ミレニアムに生きる職人達
Scuderia Belle Epoque(スクデリア・ベルエポック)、Bacchelli & Villa(バッケッリ&ヴィッラ)、Carrozzeria Mirage(カロッツェリア ミラージュ)、Candini Classiche(カンディーニ クラッシケ)、Societa’ Carrozzai Nonantola/SCN Holding(SCNホールディング)が展示。
モデナで生き続けている職人達が集まった。まさにこの光景こそがモデナの自動車文化の源だ。彼らの「技」はモデナの、そして世界の自動車文化を支える縁の下の力持ち。これからもずっとこの地でその技は継承されていくことだろう。
●4/Chiesetta San Niccolo’(会場)「Marco Simoncelli」
2011年10月23日、セパン・インターナショナル・サーキットにておこなわれたマレーシアGPの決勝戦で亡くなった、エミリア・ロマーニャ州出身のMotoGPライダー、シモンチェッリの写真展。エミリア・ロマーニャ州は、彼のことを忘れない。
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4日間という凝縮された日程に、「見て、触って、走って、学んで」と、沢山のイベントを盛り込んだMotor Valley Fest。
これらのイベントを通じ、エミリア・ロマーニャ州に根付くクルマ・バイクへの深い愛情を知り、Motor Valleyの誕生も自然の流れだったのだろうと実感。
昨今、カーボンニュートラルが至るところで議論されている。先日は2035年以降に生産される新車は、内燃機関を搭載しないというヨーロッパの指標が発表された。
Motor Valley Festでは、人間が持つすべての感性に訴えかけるエンジン(内燃機関)音が、美しいボディを纏って古い建築物をバックに鳴り響いていた。このサウンドを聴いている限り、本当にEVの時代はやってくるのだろうか、と思った。
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