かつて誰もが憧れた「光るナンバー」 個性アピール? 「字光式ナンバー」の存在理由とは

クルマに装着する「ナンバープレート」ですが、なかには光るナンバープレートを取り付けて走行しているクルマが見受けられます。光るナンバープレートとは、いったいどのようなものなのでしょうか。

ナンバープレートが光る?光るナンバーとは

 夜にクルマを運転していると光っているナンバープレートを装着している光景を見かけることがあります。
 
 通常のナンバープレートは光らない仕様ですが、光ることでどのような意味があるのでしょうか。

「字光式ナンバープレート」を装着したことで存在感が増したトヨタ「アルファード」(画像提供:旭化成テクノプラス株式会社)
「字光式ナンバープレート」を装着したことで存在感が増したトヨタ「アルファード」(画像提供:旭化成テクノプラス株式会社)

 この光るナンバープレートは、「電光ナンバー」や「光るナンバー」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「字光式ナンバープレート(以下:字光式ナンバー)」といいます。

 字光式ナンバーは、ナンバープレートの視認性向上に加え、照明器具の発する熱で雪を溶かすことを目的として、1970年に北海道で普通車への交付が開始されました。この仕様のナンバーは日本独自のものです。

 字光式ナンバーは、通常のアルミ製のナンバープレートに透明なプラスチックの文字がはめ込まれており、文字の部分だけ少し浮き出たナンバープレートになっており、裏側には専用の照明器具が取り付けられ、照明の光が透明なプラスチックを透過し、文字が光って見えるという仕組みです。

 字光式ナンバーの種類としては、軽自動車以上の大きさのクルマに対応した330mm×165mmの「登録 中板」(自家用/事業用)が存在。

 また、車両総重量8t以上、最大積載量5t以上、または乗車定員30名以上のクルマについては440mm×220mmの「登録 大板」(自家用/事業用)があります。

 自家用は文字が緑色に光り、事業用は白色に光るようになっており、これらの登録車は、左上のところに取り外しを防止するためにつける封印が必要になります。

 一方の軽自動車は、330mm×165mmの「軽 中板」(自家用のみ)があり、事業用はありません。

 そんな字光式ナンバーは、販売された当初は照明器具が金属や樹脂で作られていましたが、現在は、LED照明の字光式ナンバープレートが主流となっています。

 販売当初の「照明器具の熱で雪を溶かす」という用途には適さなくなってしまいましたが、夜間や天候不良時、トンネル内での視認性が向上されました。

 そんな字光式ナンバーには、どのような特徴があるのでしょうか。軽自動車用字光式ナンバーを独自開発した旭化成テクノプラス株式会社の担当者は以下のように話します。

「字光式ナンバープレートのメリットは、ナンバープレートの視認性が上がるため交通安全に寄与できる点です。

 また、クルマをドレスアップできる、夜間にクルマでのお迎え時にナンバーがわかりやすいというメリットもあります。

 デメリットは、通常のペイント式のナンバープレートと比較すると費用が高くなってしまう点です。

 また、注意点としては、照明器具は専門機関で法令適合確認をした認定品を使用し、登録車用(普通車用)と軽自動車用を間違えないようにしてください。

 なお、字光式ナンバープレートには図柄入りのプレートはありませんのでそちらも事前に注意いただければと思います」

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