あおり運転対策のドラレコが大化け!? トヨタが目論む自動運転活用の未来地図とは
乗用車に装備されるドラレコでの展開開始はいつから?
実用化に向けては、これまで約3年間にわたり基礎研究を続けてたアメリカのベンチャー企業をウーブン・プラネットが買収し、アメリカでの事業展開と日本での各種実証試験の準備を進めている段階です。
具体的には、商用車について、トヨタが主導で実現した日野といすゞの事業連携による小型トラックでの短距離輸送の自動運転と高度運転支援システム(ADAS)での実証試験を検討中です。
また、大型トラックのよる長距離輸送では、トヨタグループの枠組みを超えて、三菱ふそうと自動運転やADASについての実証試験の準備を進めているといいます。
気になる乗用車での採用時期についてウーブン・アルファ開発者に聞いたところ「新車の導入サイクルなどを考慮すると、いま(2021年)から3年から4年先が目途になる」ということです。
直近では、「ハリアー」が車載ドラレコ(前後録画機能付きのデジタルインナーミラー)を搭載していますが、今後はドラレコが新車の標準装備化から通信回線を通じて、また市販の後付けドラレコをWi-Fiなどでつないでクラウドにデータを上げるという流れになりそうです。
AMPのように車載カメラを使い、走行中のクルマの周辺状況を収集して地図化するという技術は、日産「プロパイロット」などに自動運転技術を提供しているイスラエルのモービルアイや、大手地図メーカーであるオランダのトムトムなど、世界各地のデジタル地図開発企業でも実用化に向けた研究開発が進んでいます。
こうしたなか、ウーブン・プラネットが今後、どのような立ち位置でAMPの事業化を進める予定なのかについても聞いてみると「日本のダイナミックマップを含めて、地図大手企業とは相互に技術を補完してWIN WINの体制を目指したい」ということです。
また、AMPはプラットフォームであることを特徴とし、自動車産業以外のさまざまなソフトウエア開発者がAMPを使って新しいサービス事業を開発できる体制づくりを進めるといいます。
トヨタが自動車会社からモビリティカンパニーへの転身を図るなか、ウーブン・アルファのAMPは重要な役割を果たすことになりそうです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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