斬新な発想でデザインもユニーク! おもしろSUV3選
ここ数年で世界的に人気のSUVですが、とくに売れているのがクロスオーバー系か、ややクロカン車寄りのモデルです。どのモデルも比較的真面目なデザインといえますが、かつてはユニークな発想でつくられたSUVも存在。そこで、おもしろいSUVを3車種ピックアップして紹介します。
ユニークかつ斬新な発想でつくられたSUVを振り返る
2000年代以降、急激に人気が高まり、今や各メーカーがもっとも重要視しているのがSUVです。とくに世界的にも人気なのが、乗用車系のプラットフォームを用いてオンロード走行に特化したクロスオーバーSUVで、次々と新型モデルが登場しています。
さらに、トヨタ「RAV4」や、日産「エクストレイル」などクロカン車寄りのデザインで、オフロード性能も考慮されたSUVも、高い人気を誇っています。
クロスオーバー系のモデルではクーペのような流麗なフォルムを採用していたり、クロカン車寄りのモデルでは力強さをアピールしていますが、どれも比較的真面目なデザインという印象です。
一方で、かつてはかなりユニークなモデルも存在。そこで、斬新な発想で開発されたおもしろSUVを、3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「ミラ RV4」
1990年代の初めに、日本の自動車市場では「RVブーム」が巻き起こりました。RVとは「レクリエーショナル・ビークル」の略で、クロスカントリー4WD車やミニバン、ステーションワゴンなど、レジャー用途に最適なモデルを指し、なかでもクロカン車は大ヒットを記録してブームをけん引する存在でした。
そのため、クロカン車をラインナップしていないメーカーも、ちょうど今のクロスオーバーSUVのように乗用車をクロカン車風の外観に仕立てるケースも散見されました。
そのなかの1台でユニークな軽自動車だったのが、1992年に発売されたダイハツ「ミラ RV4」です。
ミラ RV4のベースとなったのが1990年に登場した軽セダンの3代目「ミラ」で、フロントにはブッシュガード風のバンパーにスキッドプレート、リアに背面スペアタイヤキャリアを装着。さらに最低地上高を高くするなど、つくりはまさにクロカン車の作法に則っていました。
エンジンは64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボのみとされ、駆動方式はフルタイム4WDを採用するなど、走りも本格的です。
他メーカーも同様な手法でRV風なモデルを開発して販売しましたが、販売的に成功したケースは少なく、ミラ RV4もヒットすることはなく、1994年に4代目ミラにフルモデルチェンジした際に、ラインナップから消滅してしまいました。
現在、軽自動車ではスズキ「スペーシアギア」や三菱「eKクロス」など、SUV風に仕立てられたモデルが人気となっていますが、ミラ RV4は先駆者だったといえます。
●日産「ムラーノ クロスカブリオレ」
2004年に発売された日産初代「ムラーノ」は大型クロスオーバーSUVの先駆け的存在で、個性的なスタイルと余裕ある走りから人気車となりました。
もともとムラーノは北米市場向けに開発されたモデルで、日本でも受け入れられたことから、2008年には2代目が登場。
2代目ムラーノは初代のデザインテイストやコンセプトを継承していましたが、次第に国内での人気は影を潜め、2015年に販売を終了。
この2代目では北米専用モデルとして、非常にユニークな2ドアのオープンモデルである「ムラーノ クロスカブリオレ」がラインナップされました。
2011年に追加ラインナップされたムラーノ クロスカブリオレは、ルーフ部分を撤去して油圧で開閉するソフトトップを装着。
サイドパネルの変更で2ドア化し、リアゲートはトランクに作り変えられ、開放感あふれる世界初のオープンクロスオーバーSUVに仕立てられていました。
しかし、オープンカー人気が高いアメリカにおいてもセールス的には成功したとはいえず、2015年に3代目ムラーノの発売とともに、クロスカブリオレは廃止。
なお、同様なモデルでランドローバー「レンジローバーイヴォーク コンバーチブル」がありましたが、こちらも短命に終わっています。
●スズキ「X-90」
珍SUVのなかでも希代の珍車といえるのが、1995年に発売されたスズキ「X-90」です。
そのフォルムからするとSUVではないように見えますが中身は初代「エスクード」であり、ラダーフレームの都会的なクロカン車というコンセプトです。
X-90は1993年開催の第30回東京モーターショーにコンセプトカーとして出展され、来場者から好評だったことから市販された経緯があります。
初代エスクードのラダーフレームに、丸みを帯びたセダンのようなフォルムの2シーターボディを架装した構造で、開発の難易度はそれほど高くはなかったと考えられます。
また、ユニークなボディ形状だけでなくルーフはTバールーフを採用するなど、とにかく異色のクロカン車といえるでしょう。
パワートレインやドライブトレインもエスクードのままで、エンジンは1.6リッター直列4気筒SOHCを搭載し、駆動方式はパートタイム4WDです。
悪路走破性が高いX-90でしたが、あまりにも特殊なモデルだったことから需要もなく、わずか3年ほどで販売を終了。なお、X-90は欧州などにも輸出されました。
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SUV人気はまだまだ続くイキオイですが、実はSUVの定義は明確には存在しません。
SUVは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」の略ですが、直訳すると「スポーツ多目的車」と、聞いてもなんのことだかよくわからないでしょう。
ルーツはピックアップトラックの荷台に、キャノピーを架装したアメリカのクロカン車という説が有力なことから、後にクロカン車に近いモデルを指すようになりました。
実際に最低地上高や全高が高いモデルが多いのですが、そうでもないモデルも存在するなど、もはや「言ったもん勝ち」という状況です。
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