【分析】フェラーリ「296GTB」を予約するなら「アセット・コルサ」を選んで正解
フェラーリ「296GTB」予約するなら、アセット・コルサを選んで間違いない
●ドライブモード
296GTBに設定されるドライブモードは、次の4つだ。
1/「eDrive」:純粋にエレクトリック・モーターのみで走行する。
2/「Hybrid」:始動時のデフォルトモードとなり、パワーフローは効率を最大化するように制御される。
3/「Performance」:V型6気筒エンジンを常時稼働してバッテリーの効率を維持し、いつでもフルパワーが発揮できる状態のモード。
4/「Qualify」:バッテリーの再充電を抑えて、最大のパフォーマンスを発揮させるモード。
さらにサイド・スリップ・コントロール・システムのグリップ・エスティメーターはEPSからの情報を得て、限界域での走行ではない時でも、すべてのステアリング操作に対して、その間のグリップを推定。6w-CDSからの情報を使い、さらに正確に制動力を配分する。
ちなみに296GTBのブレーキは、「F8トリブート」との比較で、200-0km/hの制動距離を8.8%短縮、200km/hからの繰り返しブレーキングをおこなった際の制動効率は24%も向上しているという。
【スーパーカー超王の見解】
296GTBのオーナーにならんとする人が、きっと一番注目しているモードは、「eDrive」だろう。これで、早朝や深夜など、近隣住民に気兼ねすることなくガレージから出し入れ出来るのだから。
●内外装のスタイリング
フェラーリは296GTBのスタイリングを、ミッドリアエンジン・2シーター・ベルリネッタのアイデンティティを再定義したものと説明している。
確かに過去10年間にマラネロから生み出されたフェラーリのなかでは最小のサイズとなる296GTBのボディは、ひとつの塊から生み出されたかのような、シャープで力強い造形でまとめられている。
フェラーリの歴史に詳しい人ならば、ボリューム感たっぷりのリアフェンダーやエンジンルームまわりのデザインから、「250LM」の存在を思い出すだろうし、また現代的な視線で見れば数々の最新技術が空力的効率を高めるために使用されているのが分かる。ダウンフォース量は250km/h時で369kgだ。
たとえばリアエンドのスタイリングを印象づけるカムテールなどはその美しさと機能の両立における典型的な例といっていい。ほぼ垂直に切り落とされたテールはボディのコンパクトさを強調し、さらにテール上部には水平なエレメントがあり、テールライトと格納型スポイラーが組み込まれている。
テールライトは両端に2本の光の線が現れるが、これがフェラーリ伝統の丸型2灯式ランプの最新解釈ということなのだろう。中央のエグゾーストパイプを1本出しとしたのも斬新な印象だ。
キャビン、フルデジタルインターフェイスという新たなコンセプトが採用された。8速F1 DCTのゲートは、「SF90ストラダーレ」などと同様にかつてのフェラーリが特徴としていたゲート式を採用している。
【スーパーカー超王の見解】
エクステリアのデザイン、そしてそれが最新のフェラーリであることを考えれば、新しいインテリアのデザインコンセプトととのマッチングは悪くないといえる。
●気になるサウンドは?
見逃してはならないのが、スチールとニッケルからなるインコネル製のエグゾーストシステムだ。フェラーリは一般的には好みではないという者が多いターボモデルのエグゾーストサウンドを、低速域でも魅力的なサウンドにするために、排出ガス処理システムの前にホットチューブと呼ばれる特許取得済みのシステムを搭載。キャビンには常に魅力的なサウンドが満ち溢れることになった。
【スーパーカー超王の見解】
イタリアで試乗した際の印象では、自然吸気エンジンの「458」とターボモデルとなった「488」とでは、明らかにサウンドが異なっていた。ターボ特有のタービン回転やブローオフバルブ、ウェイストゲートバルブのサウンドが混じっていたのだが、296GTBではフェラーリらしいサウンドに洗練されているということだろう。
●デリバリー時期は?
296GTBのセールスは、まずヨーロッパ各国の市場から開始される予定だ。設定されているモデルは、スタンダードな296GTBと、さらにスポーツ性を高めた「296GTBアセット・コルサ」の2モデル。
後者には顧客レース部門のコルサ・クリエンティによる専用のサスペンションなどが装備される。
注目の価格は299GTBが26万6000ユーロ(邦貨換算約3480万円)、296GTBアセット・コルサは30万2000ユーロ(邦貨換算約3950万円)と発表されている。
【スーパーカー超王の見解】
ついにフェラーリから発表された6気筒モデル。それはピッコラ・フェラーリ(小さなフェラーリ)などという言葉で済まされるほど、シンプルなニューモデルではなかったようだ。
リセールを考慮するならば、アセット・コルサを選んでおいた方が間違いないだろう。
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