なぜ4灯式ライト減少? かつては「ハイエース&ハコスカ」に採用も 近年見かけない理由とは

ヘッドライトは時代と共に変化? 今後のトレンドはナニ?

 ヘッドライトの歴史をみると、大きな影響を与えたといえるのが、アメリカ国内における自動車の保安基準である「連邦自動車安全基準」です。

 アメリカでは、1940年代からシールドビームと呼ばれる、電球とレンズが一体化したヘッドライトの装着が義務づけられていました。

 これは、丸形の2灯式で、現在でも汎用(はんよう)式ヘッドライトとして流通している規格の元となるものです。

 その後、1950年代末に丸形4灯式のシールドビームが許可され、当時米国で最初に丸形4灯式ヘッドライトを採用したのは「キャデラック」だといわれています。

 やがて米国では、1970年代には角形のシールドビームも許可されますが、その頃ヨーロッパではすでに規格型のシールドビームではなく、電球交換式のいわゆる異形ヘッドライトが一般的となっていました。

 そのため、一部の欧州車では、異形ヘッドライトの部分にシールドビームを埋め込んだデザインのクルマが米国輸出向けとして製造されています。

 その後、米国のシールドビーム規制は1983年に改正され、電球交換式の異形ヘッドライトが認められることによって、デザインの自由度が一気に高まりました。

最近のヘッドライトではLEDが普及したことでデザインの自由度が高まった(画像はトヨタ「ハリアー」)
最近のヘッドライトではLEDが普及したことでデザインの自由度が高まった(画像はトヨタ「ハリアー」)

 一方で、日本国内では米国に倣ったデザインが主流でした。

 日本の自動車の歴史は米国への輸出の歴史でもあるため、米国内の安全基準が日本車のデザインにも影響を与えています。

 しかし、1960年代のトヨタ初代「センチュリー」など、一部のモデルではオリジナルのヘッドライトも採用されています。

 さらに、法規制だけでなくヘッドライトの技術革新もクルマの表情を豊かにしていきます。

 1980年代後半にはプロジェクター式のヘッドライトが登場しました。

 従来のヘッドライトよりも薄くデザインされたヘッドライトは、日産5代目「シルビア」や初代「セフィーロ」といった、斬新なフロントフェイスをまとったクルマを生み出すこととなります。

 その後、ディスチャージドヘッドライトやLEDヘッドライトの登場でさらにヘッドライトのデザインは多様化していきます。

 では、今後のヘッドライトはどのように変化しいていくのでしょうか。

 前出の担当者は、次のように話しています。

「現在は、LEDライトで照射範囲を自動的に調整できる『Adaptive Driving Beam(ADB)』がトレンドです。

 今後は運転支援システムのセンサーとも関連して、より見えやすく照らす機能とともに、自動運転の車両が歩行者やほかの運転者に対してサインを送る『示す』という機能も大きくなってくると思います」

※ ※ ※

 クルマのフロントデザインを顔に見立てるのは自動車黎明期から続いていますが、今後自動運転のクルマが増えると、運転手とのアイコンタクトの代わりにヘッドライトがクルマの意思を表示するようになるのかもしれません。

 4灯式のヘッドライトが減っていくなか、技術の進歩は今後どのようにクルマの顔を変えていくのでしょうか。

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2件のコメント

  1. 私は角目4灯が好きだな。

  2. 最内にフォグがあって、ロー・ハイという6連角目がメッチャ好きだった

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