「ピピピ音」はもう古い!? 日産新型SUVに新たな「音」を採用! ゲームメーカーとコラボした経緯とは
日産が、ゲームメーカーのバンダイナムコとコラボした音作りの経緯を公式YouTubeで公開しました。この音とは、クルマのドライバーに注意を促したり情報を伝えたりする「情報提示音」といったものです。両社の担当者が、その経緯を振り返ります。
ゲームの「機能的なサウンド」をクルマに応用
クルマとテレビゲームには、ある共通点があります。それは「音」です。
クルマだとウインカー、半ドアの警告、シートベルトの締め忘れなどの際、ドライバーにそのことを知らせる音が出ます。ゲームも残り時間がわずかであるときやレベルアップなどのとき、プレイヤーにその状況を音で知らせます。
これら、状況や情報を人に知らせる音を「情報提示音」といいます。
日産は2021年6月7日、この情報提示音に関する記事と動画をインターネット上で公開しました。
クルマの従来の情報提示音は、「ピピピピ」「ピピッピピッ」「プー」など目覚まし時計のような無機質なブザー音が主流でした。
日産のサウンドエンジニアである鈴木広行氏は、「鳴る音に対しても高級感を感じていただけるような、高品質なクルマを目指そうと。運転時に起こるさまざまなイベント(事象)に対して、瞬時に理解を助けるような音を作りたい」と、取り組みの経緯を話します。
情報提示音を新たに作るにあたり、日産のサウンドエンジニアは、ゲームメーカーのバンダイナムコのサウンドクリエイターに協力を得ることになりました。
ゲームのサウンドクリエイターは、プレイヤーの直感的な理解を促すため、ゲームの世界観とゲーム内で起こるさまざまなシーンやイベントにマッチした音を作っています。
バンダイナムコ研究所のサウンドディレクターである高橋みなも氏は、開発について次のように振り返ります。
「機能としてお知らせする音を世界観に合わせるというところで、ゲームの、とくに機能的なサウンドの経験が生かされたと思っております」
人は音のテンポ(吹鳴周期)で緊急度を、高さ(周波数)で深刻度をそれぞれ認識するといいます。
両社の担当者は、ピッチ、テンポ、トーンを駆使して情報を伝え、ドライバーが直感的に理解できる音を新たに作りました。
そしてさらに、音を生かすスピーカーも新たに開発。オーディオスピーカーの音と区別できるようにするため、運転席前のダッシュボードにスピーカーを収納し、深みがあり耳あたりの良い音が出るようにしたといいます。
バンダイナムコの高橋氏は「実際に車内で鳴っている音を聴いたとき、自分が手がけたゲームを初めてプレイしたときと同じ感覚にとらわれた」といい、「業界は違っても、ものづくりが完成したときの達成感は共通なんだ」と、今回のコラボレーションを振り返りました。
新しい情報提示音は、日本の新型「ノート」、米国の新型「ローグ」「パスファインダー」、欧州の新型「キャシュカイ」に搭載。さらに今後の新型車にも採用される予定です。
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