全長11m超え!? まるで高級ホテル! 公道走行不可の巨大キャンピングトレーラーに見る日米差とは

トレーラーハウスは「固定資産税がゼロ」は本当?

 日本では「固定資産税などがかからない」、「一般住宅よりも価格が安い」という謳い文句で売られているようですが、必ずしも設置の敷居が低いわけではありません。

 建築基準法で建築物と見なされないようにするには、「すぐに移動できる状態にしておく」、「ライフラインが工具なしで脱着できる」、「適法に公道を移動できる自動車であること(車検を受けている)」といった要件が必要だといいます。

 しかし、ボヤージュは5t近くあるトレーラーですので、車検を受けることができません。では、どのようにして住宅として使うのでしょうか。

 日本トレーラーハウス協会の担当者は次のように説明しています。

「別荘地などに置き、一般の住宅に用途を限るということです。

 企業の事務所や店舗などに使うとなれば、建築行政上でさまざまな規制があるため、設置許可がかなり難しくなります。

 ですが、家として使うのであれば、行政も細かくいうことはないと思います」

※ ※ ※

 しかし、一般住宅として用途であっても、地域によっては設置を認めない所も存在します。

 関東でいえば、神奈川県の一部では設置が非常に難しいといい、購入を考える場合は、設置場所も十分に検討する必要があるということです。

全長11m超えは伊達じゃない! ウィネベーゴ「ボヤージュ 5TH WHEEL V3436FL」(画像提供:ニートRV)
全長11m超えは伊達じゃない! ウィネベーゴ「ボヤージュ 5TH WHEEL V3436FL」(画像提供:ニートRV)

 ちなみにボヤージュのボディサイズは、全長11950mm×全幅2460mm×全高3800mm、就寝定員6名となっています。

 室内を見てみると、ラウンジにダイニング、ベッドルームとかなりの広さです。

 ギャレーにトイレ、シャワールーム、さらには液晶式のフェイク暖炉まで付いています。

 内装もアメリカンテイストで、日本建築とは違う雰囲気。単身者や二人暮らしであれば、十分快適に暮らせるのではないでしょうか。

 車両本体価格(消費税込み)は1232万円。設置移動費やライフライン工事費、土地によっては基礎工事費が発生するため、それらに100万円単位の予算を見なければなりません。それでも一軒家を新築するより遙かに安上がりです。

 ちなみに、前出のニートRVに聞いたところ、同モデルはこれまで20台ほど売れたといいます。

 けん引して旅をすることはできませんが、旅気分を味わえる隠れ家として使うのは楽しいかもしれません。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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