「後席リクライニング」なぜ増えない? 快適性あるも車種でばらつきある理由
あえて後席リクライニングを採用しない車種も存在、なぜ?
あると便利な機能ともいえる後席リクライニング機能。
しかし、今後採用が増えていくかはケースバイケースだといえます。
ショーファーカーには必須の装備といえますが、個人所有がメインとなるモデルでは装備されていることが、市場で大きなプラスになることはないのかもしれません。
前出のホンダは次のように話しています。
「後席の快適性を確保しつつも、求められるラゲッジスペースを確保できる設計が可能になってきたので、フルモデルチェンジで後席リクライニングを撤廃するということもあります。
これには設計段階で人間工学を研究し、もっとも快適に過ごせる後席のシートポジションに設定したためという理由もあります」

また、2021年4月23日に発売されたホンダ新型「ヴェゼル」の後席リクライニング機能について、開発担当者は次のように説明しています。
「新型ヴェゼルの後席はリクライニングしない仕様です。これは、角度調整のギミックがあると余分な空間が必要となるほか、シート自体も固定式よりは薄く簡易なものになっていまいます。
そのため、新型ヴェゼルでは、しっかりとした厚みのあるシートと適正な角度にすることで、後席の快適性を実現させました」
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このように、単に後席リクライニングを採用すればいいという訳ではないようです。
それぞれの車種にはコンセプトが存在し、そのコンセプトによっても後席リクライニングの採用有無が決まるといえます。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。





































