フルモデルチェンジで大ヒットを記録! イメチェンが大成功した車5選

数奇な運命をたどったミニバンと20年ぶりのFMCで大ヒットしたモデルとは?

●トヨタ2代目「シエンタ」

優れたユーティリティと燃費、デザインが評価されて大ヒットした2代目「シエンタ」
優れたユーティリティと燃費、デザインが評価されて大ヒットした2代目「シエンタ」

 2003年に発売されたコンパクトミニバンのトヨタ初代「シエンタ」は、子育て世代のファミリー層から高い支持を得ました。

 その後、2008年にデビューしたダイハツのOEM車の「パッソセッテ」が実質的な後継車となったため、初代シエンタは2010年に販売を終了。

 しかし、ヒンジドアだったパッソセッテの販売が低迷し、2011年に異例の事態といえる初代シエンタの再販が決定されました。ただし、マイナーチェンジというかたちでの再販で、2014年に完全に販売を終了します。

 そして、2015年に全面的に刷新された2代目シエンタが登場。アグレッシブな印象の外観デザインとカラーリングが採用され、初のハイブリッド車もラインナップして大ヒットを記録。

 発売最初の1か月で、4万9000台もの受注を獲得し、2016年の販売台数は12万5832台で、登録車ではプリウス、アクアに続くランキング3位となり、ミニバンのトップセラーとなりました。

 その後、2018年9月には2列シート車が追加ラインナップされてユーザーの拡大にも成功。現在もコンパクトミニバンではトップクラスの販売台数をキープしています。

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●スズキ4代目「ジムニー」

今も納期1年待ちの状態が続くほどヒットした4代目「ジムニー」
今も納期1年待ちの状態が続くほどヒットした4代目「ジムニー」

 1970年に発売されたスズキ初代「ジムニー」は、超小型ボディながら強固なラダーフレームに、ストロークが長く耐久性が高い前後リジッドアクスル式サスペンション、外部に動力を取り出せるパワーテイクオフを装備するパートタイム4WDを採用した、軽自動車初の本格的なクロスカントリー4WD車です。

 土木や林業、郵政などのプロも使う本物のアウトドアギアとして、代を重ねてもコンセプトはブレることはありませんでした。

 そして、2018年に20年ぶりとなる現行モデルの4代目ジムニーが登場、初代をオマージュしたようなクラシカルさと最新のデザインが融合した外観と、優れた悪路走破性から人気となり、いまも納車1年待ちといわれています。

 3代目ジムニーも20年間のロングセラーとあって一定のニーズはありましたが、4代目ではそれまで興味を示さなかった女性ユーザーも獲得したといわれており、2020年には約3万8000台を販売しました。

 本来、用途が限られてしまうジムニーですが、これは歴代でも快挙です。

 メカニズムもラダーフレームに架装されたボディに、サスペンションは前後ともコイルスプリングのリジッドアクスルを継承。

 エンジンは64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボで、パートタイム4WDも初代から受け継いでいます。

 また、3代目までも海外一部の国で販売されていましたが、4代目では本格的にグローバルで展開され(日本の「ジムニーシエラ」に相当)、やはりヒットを続けている状況です。

※ ※ ※

 前述のとおりクルマの魅力が低下したことからフルモデルチェンジをおこないますが、必ずしも成功するとは限りません。

 トヨタ4代目「クラウン」や、日産「S14型 シルビア」などが失敗例として有名ですが、実際に失敗した例はかなり少ないといえます。

 当然、メーカーは綿密な市場調査をおこなったうえでフルモデルチェンジをおこないますから、そうそう失敗することはないはずです。

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