ヤンキー運転は違反になる!? 何が「良い・悪い」 運転姿勢の重要性とは

運転時にシートを倒して、身体を傾けるような姿勢を俗に「ヤンキー運転」といいますが、状況次第では道路交通法違反になる可能性があるといいます。

ヤンキー運転がダメな理由

 寝かせたシートに座り、伸び切った片手でハンドルの一番上を掴むようなヤンキー運転とも俗にいわれる運転姿勢。
 
 このような運転姿勢は、もしかすると違反する可能性があるのです。ヤンキー運転がダメな理由とともに、正しい運転姿勢を解説していきます。

片手運転は状況によって、道路交通法違反となる可能性も
片手運転は状況によって、道路交通法違反となる可能性も

 ヤンキー運転が違反に該当するというのは、道路交通法で定められているからです。

 もちろん、明確に「ヤンキー運転を禁ずる」と書かれているわけではありません。ただし、道路交通法の以下部分が違反に該当する場合があります。

「第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」

 安全運転の義務と記載されているこの第七十条に基づくと、ヤンキー運転は違反となる可能性があるのです。

 人によってこの第七十条の見方はあるかもしれませんが、簡単にいえば「危険回避ができる正しい方法と速度で運転しなさい」ということです。

 つまり、ヤンキー運転の場合危険回避などができないと、現場の警察官が判断すれば違反となる可能性があります。

 では危険回避などができる正しい運転姿勢とはどのようなに取るのでしょうか。

 まずはシートに深く腰掛けます。この際にお尻や腰回りに隙間ができないようにしてください。

 次にシートの前後位置を調整します。エンジンをかけて右足でブレーキを一番奥まで踏み込みましょう。

 このとき膝が伸び切ってしまうようならNGです。奥まで踏み込んだときに膝が少し曲がるくらいの位置までシートを調整します。

 そして背もたれの角度調整です。肩甲骨をしっかりと背もたれにつけた状態でハンドルの頂点(時計でいうと12時の位置)を掴んでください。

 掴んだときに肘が少し曲がるくらいの位置に背もたれの角度を調整しましょう。

 また、最近のクルマでは「チルト」と「テレスコピック」という機能が採用されていることがあります。

 チルトとは、ハンドルの上下を調節できるもので、テレスコピックはハンドルの前後を調節でき、シート調節と合わせることで体格差に関わらずある程度自由に運転姿勢を決めることが可能です。

 また、ハンドルに手を置く位置は9時15分の位置を基本とし、脇は開かないようにしましょう。

 また、ハンドルは常に強く握ってはいけません。強く握っていると長時間の運転では疲れるほか、急に出てきた障害物などを避ける必要がある際に、操作が遅れてしまいます。

 そして何よりハンドルから伝わってくる情報を感じ取りにくくなり、正確な路面とクルマの状態を掴めなくなります。基本は優しく包み込むようなイメージでハンドルを持ちましょう。

 正しい運転姿勢をとることができれば、もしもの時の事故が防げる可能性が上がるのはもちろんですが、長距離の運転でも疲労が少なくて済みます。

 サーキット走行などのスポーツドライビングの世界でも、まず初めに教わるのは運転姿勢です。

 それだけ運転姿勢は重要なポイントだといえ、正しい運転姿勢をおこなうことで、いつもの運転が快適になるかもしれません。

【画像】あなたは「ヤンキー運転」やってない? 正しい運転姿勢とは?(10枚)

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Writer: 西川昇吾

1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。

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