なぜホンダは2月販売がTOP10圏外に? トヨタ8車種、日産2車種となった要因とは

2021年2月の登録車販売台数が公表されました。ホンダは2019年10月以来、17か月ぶりにTOP10圏外となったのですが、その要因にはどのようなものがあるのでしょうか。

2月の販売台数でTOP10にホンダ入らず…その要因は?

 毎月、新車販売における登録車台数が公表されており、近年ではTOP10の大半をトヨタ勢が占めています。
 
 2021年2月では、TOP10中にトヨタ8車種、日産2車種となり、ホンダが2019年10月以来、17か月ぶりにTOP10圏外となったのですが、その要因にはどのようなものがあるのでしょうか。

激化するコンパクトカー市場で今後の鍵を握るのはフィットクロスター? SUV人気をどう取り込む?
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 一般社団法人日本自動車販売協会連合会(自販連)は、毎月初めに前月の登録車販売台数を公表しています。

 このデータはクルマを販売する際にナンバープレートを取得するため必要となる登録手続きの台数をカウントして公表。そのため、実際に当該月に販売(注文)された台数とは異なることもありますが、今回は販売台数として解説します。

 2021年2月の販売台数では、1位トヨタ「ヤリス」(2万559台)、2位トヨタ「ルーミー」(1万1954台)、3位トヨタ「アルファード」(1万107台)、4位トヨタ「カローラ」(8766台)、5位トヨタ「ハリアー」(8006台)、6位トヨタ「ライズ」(7901台)、7位日産「ノート」(7246台)、8位トヨタ「ヴォクシー」(7094台)、9位トヨタ「シエンタ」(6360台)、10位日産「セレナ」(6305台)という結果でした。

 なお、このデータは、ヤリス(ヤリスクロス/GRヤリス)やカローラ(カローラ/カローラツーリング/カローラスポーツ/カローラアクシオ/カローラフィールダー)など、シリーズで複数車種を展開するモデルは統一して合算しています。

 また、ルーミーは2020年9月に兄弟車だった「タンク」と統合したこと、アルファードは2020年1月の一部改良や同年5月の併売開始といった要素などで販売が好調です。さらに、ノートは2021年12月に3代目へとフルモデルチェンジしたことで新車効果などから順位や販売台数を伸ばしました。

 こうしたさまざまな背景があるなかで、2021年2月のホンダ車は11位「フリード」(5928台)、12位「フィット」(5782台)となっています。

 フリードは、2019年10月にフリード(3列シート車)/フリード+(2列シート車)の内外装デザインを刷新するとともに、クロスオーバースタイルの新グレードとなる「クロスター」を追加して発売。

 これにより、2020年後半ではライバルとなるシエンタを上回る販売台数を記録したほどです。

 また、フィットは2020年2月に4代目へとフルモデルチェンジし、前述のクロスターなどを含めた異なる5タイプを設定することで、幅広いユーザーを取り込み、同時期に登場したライバルのヤリスと競い合うことで、2020年の年間販売台数では4位にランクインしました。

 こうしたホンダの2大主力車種が17か月ぶりにTOP10圏外になった要因には、どのようなことが考えられるのでしょうか。

 首都圏のホンダ販売店スタッフは次のように説明しています。

「フィットとフリードは、共にホンダで高い人気を誇る2台です。また、2月は各販売会社で決算セールやキャンペーンをおこなう関係で、全体的に販売台数が伸びる傾向にあります。

 そうしたなかで、この2台がイマイチ伸び悩んだ要因には、新型ヴェゼルの影響が考えられます。

 2月18日に正式発表されましたが、先立って1月18日にはティザーサイトが公開されていることもあり、それを知ったお客さまは新型ヴェゼルに関心を持ちました。

 これにより、同じコンパクトサイズのフィットを検討されている人は『新型ヴェゼルを待ちたい』ということで、商談が止まったケースもあります。

 そのほか、フィットでは2020年12月に発売された新型ノートの登場も影響しており、フィットのe:HEVと同じようなハイブリッドシステムを搭載することもあり、比較される人は多数おります。

 また、フリードに関してはミニバンとなるため直接的な比較対象ではないですが、2列シート車のフリード+はアクテイブな使い勝手が可能なため、ヴェゼルと被ることもあり得ます。

 そのため、フリードを検討されるお客さまでも『新型ヴェゼルが出るなら見て判断したい』という声も聞きました」

 また、関西圏のホンダ販売店では次のように説明しています。

「ヴェゼルは2013年に登場して以来、同クラスのSUVでも室内空間や荷室の広さを多くのお客さまから支持されました。そのため、さらに進化している新型ヴェゼルへの関心は高く、検討されるボディタイプに関係なく『詳細を知りたい、実車を見たい』という声は聞きますね」

※ ※ ※

 ヴェゼルは、SUVジャンルにおいて過去に4度の販売台数No.1に輝いた人気車種です。

 そのため、多くのユーザーが2代目へと進化した新型ヴェゼルを待っていることが、ほかのホンダ車への影響しているようです。

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