名車と迷車は紙ひと重? すき間を狙ったけど明暗が分かれた車5選
残念な結果となった2台のミニバンとは!?
●日産「プレーリー」
1982年に日産は3列シートのステーションワゴン初代「プレーリー」を発売。前述のとおり、多人数乗車が可能なモデルはワンボックスタイプが主流のなか、プレーリーは画期的なコンセプトでした。
プレーリーのボディはセンターピラーレス構造の後席両側スライドドアで、前後ドアを開くと広大な開口部が出現し、後席へのアクセスや大きな荷物を格納するにも良好でした。
また、FFによる低床化から広い室内空間の実現と多彩なシートアレンジを採用。さらに、低床のメリットを最大限に生かすために、バッグドアがバンパーごと開口する構造によって、荷物の積みおろしがしやすく、4ナンバー登録の商用バンも設定。
初代プレーリーは現在のミニバンに通じるレイアウトをいち早く採用していましたが、ボディ剛性の低下や多人数乗車時の非力さがクローズアップされたことから販売は低迷。
1988年に2代目が登場した際にセンターピラーレス構造ではなくなり、オーソドックスなミニバンのスタイルに改められてしまいました。
●ホンダ「エディックス」
1994年にホンダ初のミニバンとなる初代「オデッセイ」が発売されると、空前の大ヒットを記録。さらに1996年には初代「ステップワゴン」を発売し、こちらも大ヒットしてミニバンはホンダの主力商品となりました。
その後、ホンダはミニバンラインナップの拡充を図り、2004年に新発想のミニバン「エディックス」が登場。
最大の特徴は室内で、前列、後列とも独立する3つのシートが設置された2列シート6人乗りのレイアウトを採用しています。
昭和の頃、ミドルクラス以上のセダンやステーションワゴンは、前席にベンチシートを搭載するモデルが珍しくなく、6人乗りのモデルも数多く存在しましたが次第に淘汰されました。エディックスでは久々に6人乗りが復活したうえ、独立した6席とする新たな発想でした。
外観は全幅を最大限に生かすため、バンのように左右のパネルがほぼ垂直とされ、個性的なフォルムとなっています。
エンジンは発売当初は1.7リッターと2リッター直列4気筒が搭載されていましたが、複数人数の乗車ではパワー不足という声もあったため、後期型では2.4リッターエンジンが加わっています。
このユニークなシートレイアウトによってエディックスは大いに話題となりましたが、一般的な3列シート+スライドドアのミニバンほどの人気とはならず、2009年に一代限りで販売を終了。
ちなみに、同様のシートレイアウトを採用したモデルとしてフィアット「ムルティプラ」がありましたが、やはり消滅してしまいました。
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すき間を狙ったクルマを開発するというのは、ある意味メーカーにとって大きな賭けといえます。
そんな賭けに打って出て見事に勝ったクルマが、マツダ(ユーノス)「ロードスター」ではないでしょうか。
2シーターで軽量なオープンカーは昔からある珍しい存在ではありませんでしたが、ちょうど淘汰されつつある状況のなかロードスターが登場しました。
そして大ヒットしたことで世界中のメーカーがロードスターに追従したのは、記憶に新しいところです。
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