名前と見た目がマッチしてない? イメージと異なる車名のクルマ3選

クルマの車名は販売台数を左右する重要な要素のひとつです。そのため、覚えやすさ、発音のしやすさ、クルマのキャラクターとマッチしているかなど、車名は考慮しなければならないことがたくさんあります。一方で、クルマのキャラクターとマッチしない車名も存在。そこで、見た目のイメージと異なるような車名のクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

実態と異なる車名のクルマを振り返る

「名は体を表す」ということわざがありますが、クルマの場合も車名とキャラクターが一致しているのが理想的ではないでしょうか。

名は体を表していないクルマたち
名は体を表していないクルマたち

 車名はそのクルマが売れるか売れないかを左右するほど重要な要素のひとつで、発音がしやすく、覚えやすく、クルマのキャラクターとマッチしているかなど、さまざまなことを考慮しつつ決定されます。

 また、他社が商標登録していないか、スラングなど変な意味が無いかも調べる必要があるため、慎重さも要求されます。

 一方で、クルマのキャラクターとマッチしない車名も存在。そこで、見た目のイメージと異なるような車名のクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●ミニ「ミニ クロスオーバー」

すっかり立派なボディになってしまった「ミニ クロスオーバー」
すっかり立派なボディになってしまった「ミニ クロスオーバー」

 1959年に誕生したBMC「ミニ」は、画期的なコンセプトと車体レイアウトによってコンパクトカーの概念を変え、いまも語り継がれる存在の名車です。

 しかし、メーカーであるローバーグループの経営悪化と基本設計の古さは否めず、ミニは2000年に生産を終了。すでにローバーグループを買収していたBMWは、2001年に「ニューミニ」を発売しました。

 ニューミニはオールドミニをオマージュした外観とスポーティな走りを実現したことで、世界的に大ヒットを記録。

 2006年に登場した2代目では、レギュラーモデルである3ドアハッチバック以外にも、さまざまなボディタイプを展開することで、多様化するニーズに対応しました。

 そのなかの1台がSUVの「ミニ クロスオーバー」で、現行モデルは2017年に登場した2代目にあたり、2020年9月にはマイナーチェンジがおこなわれました。

 バリエーションはディーゼルエンジンを搭載する「クーパーD」の2WD/4WDと、ハイパワーな「クーパーSD ALL4」、ガソリンエンジンのチューニングモデル「ジョン・クーパー・ワークス」、そして、プラグインハイブリッドの「クーパーSE ALL4」が加わった。

 外観はステーションワゴンタイプの5ドアハッチバックで、クロスオーバーSUVの定石どおり素地の樹脂製パーツがバンパーやフェンダーアーチに採用され、ルーフレールを装着。

 そして、ミニと名の付くモデルながらボディサイズは全長4315mm×全幅1820mm×全高1596mmと、立派な体躯です。

 グローバルで販売されるSUVとしてはコンパクトかもしれませんが、もはやミニと呼ぶのがはばかられるサイズとなってしまいました。なお、現行モデルのミニシリーズは、すべて3ナンバー車です。

●トヨタ「タンク」

海外では武器が搭載されて危ないクルマと思われそうな「タンク」
海外では武器が搭載されて危ないクルマと思われそうな「タンク」

 ダイハツは1967年にトヨタと業務提携契約を締結し、2016年にはトヨタの完全子会社化を果たしました。

 これまで、ダイハツとトヨタは共同開発や互いにOEM供給をおこなってきましたが、2016年11月に後席スライドドアのトールワゴン「トール」を発売し、同時にOEM車としてトヨタ「ルーミー」と「タンク」が登場。

 ルーミー/タンクは、1リッタークラスながら広い室内と荷室を実現し、幅広いバックドア開口部と低い荷室フロア高で荷物の積み降ろしにも配慮されたモデルです。

 トヨタはタンクの由来を「沢山ものが入る・積める空間を表現」と説明しており、タンクと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、ガソリンを入れる燃料タンクや「タンクローリー」ではないでしょうか。

 一方、海外ではタンクは戦車という意味もあるので、車名を聞いただけならトヨタが戦闘車両をつくったと勘違いされかねません。見た目はオーソドックスなトールワゴンですから、かなりギャップがあるネーミングと思われるでしょう。

 まさに日本だから許される名前といえます。

 なお、トヨタは全販売店での全車種併売化を果たしたことから2020年9月にタンクの販売は終了し、ルーミーに統合されました。

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