トヨタまだ出す!? 今年は「ランクル」「カローラクロス」投入も! SUV増強の狙いとは
最近ではSUVが人気のカテゴリーとなっていますが、なかでもトヨタは多くのSUVをラインナップしています。トヨタのSUVの販売戦略には、どのような狙いがあるのでしょうか。
ライバルの弱味を突く!? トヨタがSUVを増強する狙いとは
最近はSUVが売れ筋のカテゴリーになっていますが、とくに車種を充実させているのはトヨタです。
「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」は以前からラインナップされていましたが、それ以外のモデルは設計が新しいです。
「C-HR」を2016年に発売した後、一度販売を終了していた「RAV4」が2019年に復活しました。同年11月には「ライズ」も発売されて好調に売れています。
さらに2020年6月に「ハリアー」がフルモデルチェンジし、8月には「ヤリスクロス」も加わりました。
2013年に「ヴァンガード」の販売を終えた後、トヨタではSUVのラインナップが不足していました。
悪路向けのランクルシリーズと「FJクルーザー」はありましたが、売れ筋の前輪駆動をベースにしたタイプは、先代ハリアーと設計が古くなっていた2005年登場のRAV4のみ。
当時トヨタの販売店からは、「国内市場に合ったコンパクトなSUVとして、ホンダには『ヴェゼル』、日産には『ジューク(当時)』、スバルには『XV』があるのに、トヨタにはこれらに対抗する車種がありません」という話も聞かれました。
正確にはトヨタにもコンパクトSUVの「ラッシュ」がありましたが、後輪駆動ベースで車内は狭く、2005年の発売とあって設計も古くなっていました。
このようにSUVが弱いため、2014年の国内市場におけるトヨタのシェア(レクサスを含む)は、小型/普通車に限っても46%、軽自動車を含んだ国内市場全体では27%と低かったです。
一方、2020年におけるトヨタの国内シェアは、小型/普通車市場では51%、軽自動車を含んだ市場全体でも33%を確保しました。
このトヨタのシェア拡大は、コロナ禍の影響も受けてはいますが、主にSUVの充実と高人気によるものです。
2020年におけるトヨタのSUV登録台数を振り返ると、ライズは1か月平均で1万503台を登録し、国内ではSUVのベストセラーになりました。
ヤリスクロスの登録台数は約8200台/月。さらにハリアーは5506台/月、RAV4は4571台/月、C-HRは2806台/月となり、SUVの国内販売上位はトヨタ車で独占されました。
なお、C-HRの次に売れたSUVはヴェゼルでした。ヴェゼルはかつて国内のSUV登録台数1位になったこともありますが、いまでは設計が古くなって2021年にフルモデルチェンジを受けます。そのために2020年の登録台数は、1か月平均で2744台でした。
このように見ると、トヨタがSUVの車種数を増やした時期は他メーカーよりも遅かったですが、タイミングとしては良かったといえます。
トヨタがC-HRを発売した頃から、ほかのメーカーのSUVには設計の古い車種が目立ち始め、結果的にトヨタはSUVの売れ行きを伸ばしました。
国内のSUV市場が弱っていたところに、トヨタが新型車で攻め込んだからです。
トヨタが2016年以降にSUVの車種数を増やしたのは、他メーカーの動向も見たうえで、将来性の高いカテゴリーと判断したからです。つまりSUVの車種数を増やす時期が遅れたのは、意図的な結果でもありました。
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