軽SUVが躍進? ハスラー&タフト 似て非なる個性の違いとは
2021年は「ムーヴ」が新型になるか?
いっぽうで、タフトが狙っているのは後席を倒したときの荷室としての実用性。
後席を畳んだときの床面はダイハツの軽乗用車でもっともフラットとなり、さらには倒したシート部分の左右幅を広げるために後席のドアアームレストさえ装着しないという徹底したこだわりです。
後席を畳んでたくさんの荷物を積み、1人もしくは2人でアクティブに出かけるというのがタフトの狙いといえます。
前席も軽自動車としては異例。全車にガラスルーフやセンターコンソールを備え、軽自動車らしくないのです。
タフトに採用されるガラスルーフは現行の軽自動車として唯一となるのに加え、直立したAピラーによりルーフが前方へ延びているおかげで前席に座っていても視界に入ってくるのは独特の感覚です(多くのサンルーフやガラスルーフでは前席からの視界に入らない。

ハスラーとタフトはいずれもハイトワゴン派生パッケージングのクロスオーバーSUVといえますが、ハスラーはあくまでファミリーユースを前提としたクルマ作りなのに対し、タフトは後席を荷室スペース重視の位置づけとして前席最重視のパーソナルユースが対象。方向性が違うのです。
参考までに、タフトの販売が本格化した7月以降の販売台数は、ハスラーがややリードしつつタフトがハスラーを越えた月もありました。
タフトは新規モデルで従来型からの乗り換え需要がないと考えれば、かなり健闘していることが理解できます。もちろん両車とも販売ランキング上位の常連です。
果たして2021年はこのジャンルに刺客が現れるのでしょうか。
軽自動車全体を見ても大きなフルモデルチェンジが少ないようですが、ダイハツの定番モデル「ムーヴ」が新型になるという噂もあります。さらに、サプライズモデルがあるかもしれません。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。




































