登場から20年!ミッドシップのホットハッチ ルノー「クリオV6」とは
英国ルノーは2020年12月16日、2000年に登場したハイパフォーマンスモデル、ルノー「クリオ ルノースポールV6」の発表から20年を祝うコメントを発表した。
3リッターV6エンジンをミッド搭載したベビーギャング
ルノーUK(英国ルノー)は2020年12月16日、2000年に登場したハイパフォーマンスモデル、ルノー「クリオ ルノースポール(R.S.)V6」の登場から20年を祝うコメントを発表した。
当時フランスでは、24万フラン(当時のレートで、日本円で約340万円)、イギリスでは2万5995ポンド(当時のレートで、日本円で約364万円)というプライスタグで販売されていたが、20年経ったいまではその数倍の価格で取引されていることもあるという。クリオR.S. V6とは、いったいどんなクルマだったのだろうか。
クリオR.S. V6は、ルノー創業100周年にあたる1998年のパリ・モーターショーでプロトタイプが発表されたハイパフォーマンスモデルだ。
2000年12月には、量産車としてフェイズ1(前期型)のクリオR.S. V6が発売開始。プロトタイプとほぼそのままに市販化された。
FFのコンパクトカー「クリオ」をベースに、後部座席を廃し2シーターとし、その場所にルノー「ラグナ」で使用されていたのと同じ最高出力230ps、最大トルク300Nmを発揮する3リッターV型6気筒自然吸気エンジンを横置きにミッドシップ搭載、後輪を駆動した。
トランスミッションは6速MTを組み合わせ、0-62mph(約100km/h)加速は6.4秒、最高速度は147mph(約237km/h)というパフォーマンスを誇った。
ミッドシップかつ後輪駆動のレイアウトから、当時は1980年代にWRCのグループ4ホモロゲーションモデルとして作られた「5(サンク)ターボ」の再来ともいわれた。
クリオの通常モデルと比べて、クリオR.S. V6は全長は38mm長く、ホイールベースは181mm長く、全高は66mm低められた。またトレッドはフロントで110mm、リアで138mm広められ、前205/50ZR17、後235/45ZR17と前後異サイズのタイヤを装着していた。
ただし、ショートホイールベースかつトラクションコントロールなしのクリオR.S. V6の走りは非常に複雑で、乗る人の腕を選んだという。
クリオR.S. V6のフェイズ1は、完全に手作業で組み立てられた。スウェーデンのウッデバラにあるトムウォーキンショーレーシング(TWR)の工場で、1日約12台、2003年にフェイズ2(後期型)が発売されるまでに1631台が生産された。そのうち256台は右ハンドル車だった。
そして2003年8月にクリオR.S. V6はフェイズ2へと進化した。
「クリオR.S. V6 255」と名付けられた後期型は、フロントとリアデザインを一新し、18インチホイールを採用。エンジンはV6自然吸気ながら、最高出力を車名と同じ255psと、フェーズ1よりも25psパワーアップ。これにより、0-62mph(約100km/h)は5.8秒、最高速度は153mph(約246km/h)とパフォーマンスを向上させている。
また剛性の高いサブフレームの追加、新しいバンプストップの採用、長いリア・トレーリングアームの採用など、シャシを大幅に見直したことでハンドリングも向上したという。
フェイズ1ではTWRで生産されていたが、フェイズ2では元アルピーヌの工場だったルノー・スポールのディエップ工場で生産された。フェイズ1同様に完全手作業での組み立てで、2005年に生産が終了するまで1309台が作られた。そのうちの354台は右ハンドル仕様だった。
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最後のモデルがディエップの工場を出てからおよそ15年、クリオR.S. V6は現在ではカルト的な人気を誇る「パフォーマンス・クラシックカー」になっているという。
2020年10月には、走行距離わずか2106マイル(約3244km)のフェイズ1が、Collecting Carsオンラインオークションで6万2540英ポンド(日本円で約880万円)という価格で落札されている。
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