本当に必要? SUVの3列目シート 居住性で劣るも3列シートSUVが選ばれるワケとは
多人数乗車できるクルマの定番としてミニバンがよく知られていますが、それ以外の選択肢として、3列目シートを備えたSUV(3列シートSUV)があります。3列目シートの乗降性や居住性ではミニバンに劣るケースが多いですが、3列シートSUVがラインナップされる理由とはいったい何なのでしょうか。
3列シートSUV どんなところが魅力?
近年、世界的に人気が高まっているSUVですが、ある程度大きいボディを持つSUVのなかには、荷室部分に格納式シートを配した3列シート仕様を設定しているモデルも存在します。
多人数乗車ができるクルマとして3列シートSUVのほかにミニバンが存在しますが、ミニバンではなく3列シートSUVを選ぶユーザーは、どこに魅力を感じて選んでいるのでしょうか。
2020年12月現在、国産自動車メーカーでラインナップされている3列シートSUVとしては、トヨタは「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」、日産は「エクストレイル」、ホンダは「CR-V」、マツダは「CX-8」が挙げられます。
このなかで、CX-8以外は2列・5人乗り仕様を設定しており、仕様にあわせて2列・5人乗り仕様と3列仕様を選択するかたちです。
なお、もっとも乗車定員が多いのは2+3+3のシート配置で8名乗車が可能なランドクルーザーで、ほかのクルマは2+3+2の7名か、2+2+2の6名乗車となります。
3列シートSUVとミニバンを比較したとき、大きく異なるのが3列目シートの乗降性と居住性です。
2020年12月現在、国産ミニバンで後席ドアにヒンジ式ドアを採用しているのはトヨタ「プリウスα」(7人乗り仕様)のみですが、2021年3月末で生産終了することが2020年12月1日に発表されたことから、国産ミニバンは今後すべて後席両側スライドドアを装備したクルマのみになります。
後席両側スライドドアを採用すると、隣のクルマにドアをぶつける心配が無くなるだけでなく、3列目シートへの乗降性が大きく改善されることから、近年のミニバンでは定番装備化していました。
しかし3列シートSUVは後席ドアにヒンジ式が採用されていることから、ミニバンと比べて3列シートに乗り込みやすいとはいえず、多人数乗車ができるクルマとしては弱点といえるでしょう。また、室内高もミニバンほど稼げず、居住性もミニバンを超えることは難しいです。
それでは、3列シートSUVを選択するユーザーはどこに魅力を感じて購入しているのでしょうか。トヨタの販売店スタッフに聞いたところ、次のように話します。
「弊社で扱う3列シートSUVについて、ミニバンの箱型ボディを避け、『デザインをはじめクルマとしての魅力があるので、あえてSUV』というお客様にご好評いただいている印象です。小さいお子さまを持つ家族の方に検討いただくことも多い印象です。
ただ2列仕様と3列仕様を比較したとき、3列仕様の方が5名乗車時の荷室容量が小さい場合があるなどの違いもあるので、2列仕様にもメリットはあります」
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