最高速500km/h以上!! ブガッティ「ボライド」の速さのヒミツを徹底解説!
1850馬力、500km/h以上を受け止めるボディとは?
ボライドのボディの特長は、もちろん軽量であることばかりではない。500km/h以上の最高速を達成するには、もちろんエアロダイナミクスも重要な要素で、見るからにそれに優れたボライドのボディは、320km/h走行時にリアウイングで1800kg、フロントウイングで800kgものダウンフォースを発生することが可能であるという。
ボライドの基本構造体となっているのは、カーボン製のモノコックだ。使用される繊維の引っ張り強度は1平方mmあたり6750N。繊維剛性は同様に1平方mmあたりで35万Nにも達する。
ちなみにこれらのデータはこれまで、航空宇宙産業のみで到達した数字を表している。フロントのサブフレームも同様にカーボン製、リアのサブフレームは肉厚がわずか1mmの高強度ステンレス鋼によって成型される。
わずかに995mmという車高は、ブガッティによればかつての「タイプ35」とまったく同じ数字であるという。全幅は1990mm、ホイールベースは2750mmの設定で、コックピットに乗り込むためにはフロントヒンジのドアを斜めに折りたたみ、まずは両脚を車内に置く必要がある。ちなみにその乗降は容易だとブガッティは説明している。
ボライドは、FIAの規定に従って装備された装置によって乗員の安全が保証されている。NANSデバイスの互換性、自動消火システム、牽引装置、センターロックホイール、軽量ポリカーボネイトのウインドウ、6点式のフルハーネスシートベルト等々がそれだ。
モノコックはサイドインパクト構造を考慮して設計されている。シートとペダル位置は各々が前後に150mm移動させることが可能。ベストなシートポジションを得ることができる。
1924年から1930年の間に、2000以上ものレースで勝利を収めたブガッティ・タイプ35。そのDNAを継承するというボライドは、「ヴェイロン」、「シロン」とは異なり、ブガッティにとっての絶対的な反逆者といえるのかもしれない。
一切の制限なく、ただ運動性能のみを追求したボライド。かつてタイプ35が、最終的に140psの最高出力を発揮し、最高速で215km/h以上を記録した時の驚きと同じように、ボライドもまた、W型16気筒エンジンが本当はどれだけのパフォーマンスを発揮することが可能なのか、ブガッティがどれほどの実力を秘めたブランドであったのかを物語る実例といえるのかもしれない。
ちなみにボライドは、現在の段階ではシリーズ生産に入るかどうかはまだ決定していない。もちろんそれが実現すれば、サーキット専用車とはいえ、多くのカスタマーが求めることは確かだろう。究極のブガッティ、ボライドはまさにそれが現実となった1台なのだ。
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