追悼、ショーン・コネリーさん 007シリーズで活躍したボンドカー5選
タイアップ色が強くなった後のボンドカーたち
●BMW「750iL」:『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』1997年
前出のDB5やトヨタ2000GTの頃から、ボンドカーの製作には自動車メーカーが深く関与していましたが、1990年代になると、メーカーとのタイアップ色が強くなっていきました。
そうした背景から1995年に公開された17作目から1999年公開の19作目までは、BMWがボンドカーを担当。
なかでも注目したいのが、1997年公開の18作目「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」に登場したボンドカーの「750iL」です。
BMW7シリーズはフラッグシップモデルとして今も現役ですが、1994年に登場した3代目7シリーズでは、トップグレードの750iLには5.4リッターV型12気筒エンジンを搭載。最高出力は326馬力を誇りました。
劇中ではピアース・ブロスナンが演じる5代目ジェームズ・ボンドが、Qから支給された設定で、さまざまなハイテク装備が満載されるなどボンドカーらしさあふれる仕様でした。
なかでも、携帯端末で750iLを操作するシーンがハイライトで、現在、スマートフォンで駐車時などに遠隔操作が可能なモデルもあることから、未来を予想していたようです。
●アストンマーティン「DB10」:『007 スペクター』2015年
2015年に公開された24作目の「007 スペクター」に登場したボンドカーは、シリーズのなかでも異色のモデルです。
そのボンドカーとはアストンマーティン「DB10」で、映画のためだけにデザイン、製作された、「現実には存在しなかった」クルマです。
これは歴代ボンドカーのなかでも非常に珍しく、劇中ではMI6が、ジェームズ・ボンドのためではなく、同僚である「009」のために開発した車両という設定でもあります。
この特別なコラボレーションは、ボンドカーとしてアストンマーティンを最初に使用した007 ゴールドフィンガーから数えて50年という節目を記念しておこなわれたもので、撮影にあたっては10台のDB10を製作したといわれています。
劇中ではさまざまな仕掛けを内蔵しており、昔ながらのボンドカーをオマージュしたような秘密兵器も登場します。
このDB10については、市販予定はないとされながらも、2018年に「ヴァンテージ」がそのデザインを引き継いで発売され、大いに話題となりました。
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007シリーズとジェームズ・ボンドは、世界中に多大な影響を与えてきました。ボンドカーだけでなく劇中に登場した小道具も、大いに話題となります。
たとえば、かつてジェームズ・ボンドが使用していた拳銃はワルサー「PPK」というモデルですが、このPPKのモデルガンが007シリーズの人気から大ヒットを記録。
いまではモデルガンが大ヒットすることなど想像できないかもしれませんが、当時はジェームズ・ボンドに憧れる少年がたくさんいて、まさにショーン・コネリーさんが彼らのヒーローでした。
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