なぜISやスカイラインは大幅変更!? ただのマイチェンじゃない昨今の事情とは

昨今のクルマは、フルモデルチェンジとマイナーチェンジの中間的な改良として、ビッグマイナーチェンジという「ビッグ」なのか「マイナー」なのか分かりづらい改良を実施します。実際にはどれほどの進化を遂げているのでしょうか。

ただのマイナーチェンジでは無い!? 大きく進化したクルマ達

 クルマが新しくなる際には、「フルモデルチェンジ」や「マイナーチェンジ」、「一部改良(商品改良)」といった呼び方をします。
 
 なかでも、メーカー差が大きいマイナーチェンジとはどのようなものなのでしょうか。

新型ISは凄まじく進化した? ビッグマイナーチェンジで大きく変わるクルマたち
新型ISは凄まじく進化した? ビッグマイナーチェンジで大きく変わるクルマたち

 フルモデルチェンジとは、その名の通り「すべて新しくなる」ということで、ボディ形状(サイズ)や内外装のデザイン、パワートレインなどが変更されます。

 また、一部改良(商品改良)は比較的にパッと見では分かりづらい部分に手を入れることが多く、機能追加などが一般的です。

 そのなかで、メーカーによって手の施し具合に大きく差があるのがマイナーチェンジとなり、基本的には一部改良(商品改良)よりも手を加えているものを指しています。

 クルマの場合は、トレンドやニーズに応じておよそ1年から2年に1回程度のペースで繰り返す場合が多く、スバルやマツダなどはほぼ毎年改良する、年次改良が多いことでも知られています。

 では、昨今よく聞くビッグマイナーチェンジとは、なんなのでしょうか。

 前述のフルモデルチェンジとマイナーチェンジの中間に位置するイメージですが、そこにメーカーの戦略があるようなのです。

 自動車メーカーがモデルチェンジを図る意味は、新しさを大々的にアピールすることができることです。

 自動車黎明期の米国で誕生した「マーケティング法」によれば、モデルチェンジ後のクルマはいかにも最先端に映り、必然的に以前のモデルは古く目に映りがちでした。

 つまりは消費者の購買欲を掻き立てて売り上げアップを図る手法だったのです。

 ただし、昨今のユーザーは目が肥えているので、単なるマイナーチェンジでは評価に繋がりにくく、また乗り換えサイクルが長くなりつつあるなかでの完全なる新型への切り替えは、莫大な開発費の回収も頭の痛い問題でした。

 そこで、需要と供給がうまく絡み合った解決策がビッグマイナーチェンジだった、というわけです。

 そうしたなかで、昨今話題なのが2020年6月16日にレクサスが世界初公開したコンパクトFRセダンの新型「IS」です。2020年秋頃の発売が予定されています。

 現行モデルが2013年の登場から7年目が過ぎようとしている経緯からみても、フルモデルチェンジを実施してもおかしくないケースです。

 しかしながら、SUV全盛にしてセダン市場が厳しい状況のなかでは大幅改良となるビッグマイナーチェンジでも致し方ないところかもしれません。

 それでも、ボンネットをはじめとするボディパネルは4枚のドア以外をすべて新規開発。

 日頃一番目にするだけに陳腐化しやすいインテリアもディテールを磨くなど、大胆過ぎるほど意欲的なアプローチぶりが見て取れます。

 また、内外装のルックス変更はもちろん、安全装備面の拡充・搭載や運動性能の向上やパワートレインの細やかな調整も実施。

 世界マーケットが注目するに値する、堂々たる充実ぶりといえます。

 また、ISとおなじく数少ないFRセダンとして、2019年9月にビッグマイナーチェンジを遂げたのが日産「スカイライン」です。

 スカイライン最強のスペックを誇るスポーティグレード「400R」を一大看板に、大胆不敵なビッグマイナーチェンジを果たしました。

 かの「GT-R」を彷彿とさせる精悍なフェイスデザインや、日産の海外向け高級ブランドである「インフィニティ」からNISSANエンブレムへの回帰。

 ハイブリッドモデルには先進運転支援技術「プロパイロット2.0」が採用されるなど、スポーティかつハイパワーなセダンを象徴する1台にふさわしい内実が与えられています。

 2020年9月の改良では仕様向上がおこなわれ、ボディカラーとインテリアに「400R」専用色を含む新色が追加されました。

 発売後1年を過ぎて人気を集めるのはやはり「400R」らしく、老若男女を問わず堅調な様子。

 ビッグマイナーチェンジという名の日産流“チューニング”は高い評価を受けているようです。

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