ホンダの突然の発表で世界に激震!? F1参戦終了の影響は? ホンダ幹部が語る真実
これから先も、ホンダのF1ヘリテージが消えることはない
筆者(桃田健史)からは、次の2点を聞きました。
――ホンダ参戦終了会見を経て、ホンダ本社内や国内販売店、また国外でのホンダ関連企業や販売での反応はどうですか。
「本社では、残念とか、ショックという声があります。対外的な発表と同じタイミングで社員に説明していたので。
また(事業採算性の観点から)リーズナブルという人も多くいます。販売店の皆さんは、鈴鹿F1を販売促進に活用するなどホンダF1に共感して頂いた人も多く、残念という声もあります。
一方海外では、冷静な意見が多いです。アメリカでは、そもそもインディへの関心が高いので、インディへのホンダエンジン供給継続はアメリカ側の都合で、F1参戦終了と発表時期が近くなっただけだといっています。また欧州では、カーボンフリーに対する理解が多い印象です」
――先回の八郷社長の説明では「参戦終了=再参戦なし」と発言していましたが、そうなると今後はF1をホンダのヘリテージ(歴史)として、広報やマーケティング活動にどう活かしていくのでしょうか。
「『再参戦しない』とは、これから先もずっとやらないのかということかどうかは分かりません。いまの時点では、再参戦するとは思っていません。
そのうえで、F1ヘリテージの使い方が、現状でもうまくできてないという認識があります。F1活動を止めることでF1のイメージを今後使わなくなるということではなく、いままで以上にF1を含めたホンダのブランディング活動を続けていきます」
※ ※ ※
今回の会見を聞いても、やはり、ホンダにとってF1は極めて大きな存在であり、それをやめるという決断をせざるを得ないほど、ホンダは未来へ向けた重要な岐路に立っていることが分かります。
アフターコロナ時代、「アフターF1」のホンダの動きを注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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