迫力あり過ぎ! トヨタ新型「ハイラックス」 デザイン&性能刷新で魅力アップ!?
マイナーチェンジ後は、細かな部分も進化している?
今回のマイナーチェンジでは、新機構として「オートLSD」の採用。これは「Z」のみに採用されたメカニズムですが、海外製の最新の電子デバイスです。
LSDというとディフェレンシャルギアのなかに組み込まれたメカニカルなもので、片輪が空転したときにもう片輪の差動を制限する装置を思い浮かべる人が多いと思います。
このオートLSDはそれを同じ働きを、ブレーキの制御によって発揮させるものです。ハイラックスには、4WD時に働く「アクティブトラクションコントロール」という機能が付いています。
これは4輪のうち1輪でも空転すれば、それをブレーキで制御し、ほかの3輪に駆動トルクを配分させるというもので、これを後輪駆動時に利かせるのが、オートLSDというわけです。
オートLSDの効能にはさまざまなシーンが考えられますが、ピックアップトラックは空荷の場合に軸荷重が少ないため、当然タイヤのトラクションも低下します。
それゆえ、雨の日の舗装路のコーナーや降雪地での駐車場からの発進時などは、オートLSDが助けてくれそうです。
小さな部分ですが、メーターも変更されています。メーター周囲のメッキリングが時計のベゼルのようなデザインになったほか、従来の青色透過光は廃止されて、オプティトロンメーターになっています。
さらにメーター中央部に、さまざまな情報を表示する「4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ」が新たに採用されています。
加えて、基本的なスペックは同じですが、ディーゼルエンジンの制御を低燃費実現のために変更し、同時にアイドリングストップ機構を搭載。これにより従来よりも15%も燃費性能を向上させました(JC08モードで11.8km/L→13.6km/L)。
マイナーチェンジ前のハイラックスも十分に魅力的なモデルでしたが、マイナーチェンジ後の同モデルはよりユーザーフレンドリーになったように思いました。
そもそもピックアップトラックをどのように使えば分からないという日本のユーザーは多いと思いますが、荷台の使用方法などそれほど考えずに、ファッションとして乗ればいいのではないでしょうか。
また、マイナーチェンジのタイミングでGRパーツが新たにオプション設定され、バンパーカバーやアンダーカバーがハイラックスならではの個性を引き立ててくれています。
なお、都市部での駐車場の問題。さらには1ナンバーのデメリットなどもありますが、ピックアップトラックの魅力はそれを凌駕して余りあります。
まさに世界的にSUT(スポーツユーティリティトラック)のムーブメントが来ている今こそ、ハイラックス所有に踏み切る好機かもしれません。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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