1年中装着可能な「オールシーズンタイヤ」は万能タイヤ!? スタッドレスとの違いとは?
昨シーズンあたりから国産タイヤメーカーも続々と参入し、いまではタイヤショップやカー用品店では常時店頭に並んでいるようになったのが「オールシーズンタイヤ」だ。その名のとおり春夏秋のドライ・ウエット路面、そして冬のスノー路面と、四季をとおして装着できるタイヤだが、どんな特徴があるのだろうか。あらためて紹介してみたい。
「冬用タイヤ」に分類されるオールシーズンタイヤ
近頃オールシーズンタイヤが好調だ。
数年前まで、オールシーズンタイヤは日本ではグッドイヤーの「ベクター・フォーシーズンズ」くらいしか販売されていなかったのだが、2シーズン前にはミシュランやファルケンが参入、昨シーズンにはダンロップやヨコハマ、TOYO TIREの国産メーカーも相次いで展開した。
日本で冬用タイヤといえば「スタッドレスタイヤ」が有名だが、冬用として存在するタイヤはほかにもある。オールシーズンタイヤも冬用タイヤのひとつ。だから高速道路で冬用タイヤ規制になっても、スタッドレスタイヤ同様そのまま通行することが可能だ。
同じ冬用タイヤだが、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤには違いがある。
スタッドレスタイヤは、凍った道や雪道など、いわゆる冬の道すべてに対応するタイヤになる。スパイクタイヤに対し、「スタッド(スパイクピン)」が「レス(ない)」なので、スタッドレスと呼ばれている。
スタッドレスタイヤのトレッド面を見てみると、細かい溝(サイプ)が刻まれているのがわかる。このサイプのエッジ効果で氷や雪を咬み、冬道でのグリップ力を生んでいる。また柔らかなトレッドゴムを用いることで路面に密着させ、路面とタイヤとの間に生じる水膜を除去、スリップを防ぐ。
トレッドゴムが柔らかいため、以前は高速走行の際にハンドル操作の手応えが薄かったり、ドライ路面を走行中にタイヤから発生する騒音が大きかったりと、ネガティブな要素もあったのだが、最新のスタッドレスタイヤでは、ドライ路面での走行安定性や静粛性、さらに耐摩耗性能の向上など、各タイヤメーカーの技術を存分に注ぎ、ドライ路面を走行してもサマータイヤとの違いがわかりづらい商品も多く存在する。
ただし、季節の変わり目にはサマータイヤからスタッドレスタイヤ、そしてスタッドレスタイヤからサマータイヤへと、年2回交換することを前提とする。
対してオールシーズンタイヤは、その名のとおり「オールシーズン(全ての季節)」で使用できるタイヤ、ということになる。スタッドレスタイヤでは春と秋の2回、タイヤ交換をしなければならないが、オールシーズンタイヤはその履き換えの必要がない。
つまり、外したタイヤの保管場所に困らないというメリットがある。オールシーズンタイヤは春夏秋冬、雨の日や晴れの日、そして雪の日までカバーする。
オールシーズンタイヤの歴史は意外に古く、1977年にグッドイヤーが世界初となるオールシーズンラジアルタイヤ「Tiempo(ティエンポ)」を北米で発売したのが最初といわれている。日本では2008年からグッドイヤーが「ベクター フォーシーズンズ」を発売。以来、年々知名度が上がってきていて、今ではドライバーの3人に1人がオールシーズンタイヤという存在を知っているという。
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