一度消滅もなぜ復活? スズキが軽ホットハッチ「アルトワークス」を継続する理由
新型アルトをベースにした次期アルトワークス登場の可能性は?
その後、1988年の3代目アルトで2代目ワークス、1994年の4代目アルトで3代目ワークス、1998年5代目アルトで4代目ワークスと進化していきました。
ところが、2004年の6代目アルト、2009年の7代目アルトではワークスの設定がなくなりました。
その理由についてスズキは、「2000年に先代(4代目)ワークスの生産は終了しました。当時の市場において、軽自動車に走りより環境性能や車内の広さを求める動きが主流になってきたからです」と説明します。
しかし、現行8代目アルトが2014年に発売された1年後、2015年になって5代目ワークスが登場したのです。
「2015年3月に『アルトターボRS』を発売して以降、お客さまから『昔のワークスのように、もっと走りに振ったクルマが欲しい』、『3ペダルのMT車が欲しい』という声をいただきました」(スズキ)として、5速MTと5速AGS(オートギアシフト)の発売に至ったということです。
なぜ、スズキは軽市場で、こうした”尖った軽”を作り続けるのでしょうか。
また、2020年から2021年にかけてフルモデルチェンジで9代目登場の噂が絶えないアルトですが、これにともない、アルトワークスは新型(6代目)へと進化するのでしょうか。
現行車、さらに次のアルトワークスの可能性について、スズキに聞いてみました。
――現行アルトワークスについて、ユーザーや販売店からはどのような声がありますか。
走ることの楽しさや出足加速の良さ、コーナーリング時の安定感など、走行性能について大変満足しているとの回答を多数いただいております。
――2015年発売以来、これまでのどの時点でどのような改良がありましたか。
2018年12月13日に一部仕様変更をしており、5速AGS車に衝突被害軽減ブレーキ・デュアルセンサーブレーキサポートなどを標準装備しました。
また、車体色では、ブリスクブルーメタリックを新設定しています。
――そのなかで、なぜアルトターボRSは消滅したのですか。
販売効率化のためグレードの見直しをおこなった結果です。
――アルトワークスとは、いまのスズキにとってどのような存在ですか。
クルマを操る面白さを追求し、さらに走りを磨き上げた軽ホットハッチモデルです。
――軽に限らず、競合車は何ですか。
アルトワークスの競合車はとくにありません。
――アルトの9代目へのフルモデルチェンジが近いかと思いますが、アルトワークスも次期モデルが出ると信じていてよいでしょうか
商品計画については、ご容赦ください。
※ ※ ※
「クルマと共鳴しながら、疾走する快感」というスズキの謳い文句どおり、ほかの軽とはまったく別の世界観を実現している、アルトワークス。
軽ホットハッチ文化が、次世代へと引き継がれることを大いに期待したいです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
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