どうしてこうなった!? 同じ名前なのに全然違うジャンルになった車5選
クルマの車名はさまざまなことを考慮し、多くのプロセスを経て決定されるものですが、モデルチェンジを重ねるうちに同じ名前ながら全然違うジャンルのクルマになってしまうことが稀にあります。そんなクルマを5車種ピックアップして紹介します。
世代でまったく違うボディタイプなのになぜ同じ名前?
クルマにとって名称は、スタイリングや性能と同じぐらい重要な要素です。響きや語感、意味やほかのクルマと混同されないかなど、車名はセールスにも大きな影響があるとされています。
それだけに車名を決めるのは一大事。デザインや車格、コンセプトなどを踏まえたうえで、そのクルマにマッチした名前が与えられるのです。
しかしながら、モデルチェンジを重ねるうちに、車名は同じでも当初とは違うジャンルになってしまうケースや、サブネームを付け加えることで、新たなキャラクターに生まれ変わってしまうクルマも存在。
そこで、今回は同じ名前なのに、あるいはサブネームが付いただけなのに、全然違うクルマに変わってしまった5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「インサイト」
ホンダ「インサイト」はこれまで3世代のモデルが登場しましたが、すべてボディ形式が異なるという不思議なクルマです。
共通しているのは前輪駆動のハイブリッド車ということだけで、キャラクターも車格も違います。
1999年に発売された初代は、かつての「CR-X」を彷彿させるデザインの2シーターの3ドアクーペでした。
軽量なアルミや樹脂を車体に使用したり、世界トップクラスの低い空気抵抗を実現したというと、本格的なスポーツカーを想像してしまいますが、実際は徹底して低燃費を追求したエコカーでした。
2009年に誕生した2代目は、一転して5ドアハッチバックの実用車に変身。ハイブリッド車のライバルであるトヨタ「プリウス」に似たフォルムで、乗車定員も5人に改められました。
初代インサイトの1リッター直列3気筒エンジンと10kWのモーターというパワーユニットに対し、2代目はモーターの出力こそ変わらないものの、エンジンを1.3リッター直列4気筒へとグレードアップ。およそ350kgの重量増に負けないパワーを手に入れました。
2018年に登場した3代目は、独立したトランクを持つ4ドアセダンです。「シビックセダン」と「アコード」の間を埋めるミドルクラスで、2代目よりふた回りほどボディが拡大されています。
初代、2代目と大きく違うのが、これまではアシスト程度だったモーターが、3代目では2モーター化され、ガソリンエンジン以上の出力を得たことです。
ちなみに、初代と2代目は約230万円と平均車両価格はだいたい同じでしたが、3代目は100万円以上高い350万円級のクルマになりました。
●スバル「ジャスティ」
2016年に21年と11か月ぶりに復活を遂げたスバル「ジャスティ」。1984年に発売された初代モデルは3/5ドアハッチバックのコンパクトカーで、世界で初めてベルト式CVTを搭載した量産車として、自動車史にその名を残しました。
その栄誉ある名前を受け継ぎ、新たに登場した2代目はトールワゴン。すでに軽自動車の販売で提携しているダイハツからのOEMで、トヨタ「ルーミー/タンク」、ダイハツ「トール」の姉妹車にあたり、コンパクトなボディながら広々とした居住空間が特徴です。
まったく違うジャンルのクルマとしての復活でしたが、面白いのが20年以上も経ているにも関わらず、メインとなるエンジンは1リッター直列3気筒と変わっていません。
もちろんまったく別のエンジンで、初代がSOHCなのに対し、2代目はDOHCの低燃費ユニットです。
ちなみに、初代が3695mmで2代目が3700mmと、全長もほとんど変わりません。
あと、意外かもですがフォレスターも挙げたいです
現在はマイルドなオフロード車のイメージですが、初代から数世代は、特にターボ車は鬼のような速さのオンロード4WDで、筑波のラップタイムは現在でもSUVジャンルではポルシェカイエン真っ青レベルです。
おそらく当時テスタロッサより速いトラックと騒がれたGMCサイクロンあたりにインスパイアされたのでしょう。