カッコイイとカッコ悪いは紙ひとえ!? 評価が分かれた微妙なデザインの車5選
クルマのデザインは販売を左右する重要な要素のひとつです。しかし、すべてのクルマが必ずしも優れたデザインとは限らず、なかには好き嫌いが分かれてしまうデザインも存在。そこで、微妙なデザインと評されたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
好き嫌いが分かれたクルマを振り返る
クルマが評価されるうえで、もっとも重要な要素は外観のデザインです。デザインの良し悪しは、クルマの販売を左右するため、各メーカーとも優秀なデザイナーを雇い、時間をかけてデザインを決めています。
しかし、長いプロセスを経て決定されたデザインでも、必ずしもユーザーに好まれるとは限らず、なかには好き嫌いが分かれてしまうデザインも存在。
そこで、微妙なデザインと評されたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●マツダ「ファミリアNEO」
1963年に発売された「ファミリア」は、マツダを代表する大衆車として誕生。その後、代を重ねるごとに変化を繰り返し、1980年代の終わりには高性能モデルが登場するなど、スポーティ路線に転換していきました。
そして、1994年に発売された8代目ファミリアではさらに方向転換され、高性能モデルは設定されませんでしたが、スポーティな3ドアハッチバッククーペの「ファミリアNEO」をラインナップ。
クーペでありながらルーフラインを高くしたことで広い室内空間を実現しており、ボンネットからトランクまで流れるようなラインを描くフォルムもスタイリッシュでした。
国内外で販売されたファミリアNEOのスタイルは海外で高く評価されましたが、国内ではユーザーにあまり受け入れられず販売は低迷。
また、エンジンも1.8リッターと1.5リッターの平凡な直列4気筒しか設定されなかったことも、イメージダウンにつながったのかもしれません。
結局、発売からわずか2年後の1996年に、ファミリアNEOはラインナップから消滅するかたちで国内販売を終了しました。
●スズキ「スプラッシュ」
現在のスズキのラインナップには「スイフト」「イグニス」「クロスビー」などのコンパクトカーがありますが、2008年から2014年まで、スズキ初の自社ブランドの輸入車「スプラッシュ」が販売されていました。
スプラッシュはハンガリーにあるスズキの子会社であるマジャールスズキで生産され、欧州を中心に展開したグローバルカーです。
Aセグメントのコンパクトなボディながら5名乗車で、6つのエアバッグと、リアシートにも3名分のヘッドレストと3点式シートベルトが装備されるなど、クラス標準以上に安全装備が充実。
エンジンは1.2リッター直列4気筒を搭載し、トランスミッションはCVTのみの1グレードでした。
タイヤがガッチリと接地しているような台形フォルムは、個性的でスタイリッシュな印象ですが、全長に対して全高が高く見えてしまい、腰高でバランスがイマイチと評されます。
また、欧州で走行テストを繰り返した軽快なハンドリングと乗り心地が特徴でしたが、日本ではスイフトと競合したためか販売は低迷。
さらに、初の輸入車ということでメーカーオプションの設定が数少なく、装備のアップグレードが難しかったことも販売低迷の一因といわれています。
欧州テイストのコンパクトカーとして評価は高かったものの、ユーザーには伝わらず、現在はイグニスが実質的な後継車です。
●日産「マイクラC+C」
日産を代表するコンパクトカー「マーチ」は、初代から世界戦略車として「マイクラ」の名で欧州を中心に販売され、人気を博してきました。
そして、2005年に3代目マイクラの派生車「マイクラC+C」がデビュー。ドイツの名門コーチビルダーであるカルマンと共同開発した格納式ガラスルーフが特徴の4人乗りクーペカブリオレです。
日本でも2007年モデルから、英国工場で生産する輸入車として1500台が限定販売され、約22秒でフルオープンとなる電動ルーフは、手軽にオープンエアモータリングが楽しめるとして話題となります。
基本的なコンポーネントはマーチそのものでしたが、エンジンは国内仕様のマーチには設定されていない1.6リッター直列4気筒DOHCが搭載され、欧州仕様のサスペンションと相まって、走りは高く評価されました。
しかし、マーチのデザインのままオープン化したことで腰高な印象で、ルーフの格納場所となるトランクリッドのラインとルーフラインのつながりも不自然です。
現在も中古車が流通しており、比較的安価な価格設定の物件が多いため、欧州テイストの走りを楽しむならばお買い得かもしれません。
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